ローリング・ストーンズの70年代以降のアルバムを集めたBOX(\38,000)は諦めた。
考えてみればビートルズのBOXも結局買わなかった。
ぶっちゃけた話、ストーンズやビートルズに対する思い入れはその程度のものだということだろう。
で、とんでもない大人買いをしてしまったのだ。。。
ジャズ・シンガー、ジュリー・ロンドンがリバティ・レーベルに残したアルバム全30枚が一挙にリリースされたのだ。国内初CD化17枚を含む紙ジャケ仕様。1枚あたり\1,800という格安な値段だが、全て買うとなると\54,000になってしまう。
50年代から60年代、モダン・ジャズが最も輝いていた時代。
ヘレン・メリルにクリス・コナーにジューン・クリスティなどなど、ハスキー・ヴォイスの白人系女性ジャズ・シンガーはたくさんいた。その中でジュリー・ロンドンは最も好きな歌手だった。
先に記した歌手に比べて声や歌唱に儚さが感じられる。控えめながらもポップ感覚もあって、そこが親しみやすかったのだ。スモーキー・ヴォイスと言われた声の魅力もさることながら、繊細な表現力、歌心のある節回し、機敏なリズム感、など彼女の歌はひとつの世界を形作っていた。セクシーでありながら、どこか清純で素朴な雰囲気を漂わせているあたりが妙に心をくすぐる、とも言える。
昔からジュリー・ロンドンが好きだと言うと、賢しらぶったジャズ・ファンにはバカにしたような目で見られる。しかし、彼らが眉をひそめるような要素こそが彼女の魅力だと思うのだ。だから全然気にしない。むしろ彼女の歌の素晴らしさをわからぬ彼らを気の毒に思ったものだ。
代表的な名唱はデビュー・アルバム冒頭に収められた『クライ・ミー・ア・リヴァー』。
容姿にも恵まれていて、美貌を生かしたジャケットも素晴らしい。このジャケットの美しさがほかのシンガーと一線を画すことにもなったろうと思う。できればLPサイズで、と言いたいところだが、それは無理な注文だろう。紙ジャケ効果の発揮されたジャケットだ。
たぶん、こうしたフォトジェニックなジャケットも硬派なファンの批判の的となったのだろう。
LP時代に10枚くらい持っていただろうか。
これを機会に何枚か欲しいなと思って、以前持っていたものは外せないし、あれもこれもと選んでいるとすぐに15枚くらい超えてしまう。曲目リストを見ると、好きな曲がいい具合に(?)散らばっている。
10枚購入すると、LP未収録曲を集めた特別版CDがもらえるのだそうだ。2種類あるというから、ゲットするには20枚購入しなければならないということだ。
メーカーの戦略に乗せられているのはわかっている。わかってはいるが、この30枚自体がお宝なのは間違いない。
というわけで、大人買いを決断。
なんだかとってもシアワセ。。。
今年は彼女の没後10年にあたるのだそうだ。
1926年生まれというから、デビュー当時29歳。それからおよそ15年の間にアルバム30枚を作ったのだから、これはたいしたものだ。同一レーベルなので曲の重複はほとんどないし、スタンダードのかなりの部分を網羅している。と思ったら、意外に超有名なスタンダードを歌ってなかったりする。
彼女は自分の歌手としての能力に懐疑的だったと伝えられているが、とんでもないことだ。そして、今なお彼女の歌を愛する人がたくさんいるということが、彼女が素晴らしい歌手だったことを証明するものだろう。
30枚全てを聴いたわけではないが、どのアルバムもとても良い。
大名盤と言われるものがない代わりに、アルバムごとのバラツキがない。最高傑作に何を挙げるかは人によって異なるのだろうと思う。
デビューアルバムは55年前の録音。古いのだが、古臭くはない。いちばん新しいものでも40年くらい前のものだ。新しいものばかりがいいとは限らない。時代を経て、より価値の高まるものも少なくない。歌や演奏だけでなくあの時代の空気までもがパッケージされているのだ。
そして、彼女の歌はいつになっても色褪せることはない。
やっぱりジュリー・ロンドンの歌は最高だよ、そう思わせてくれるのだ。
しかし、「こんなに高価なものを買うなんて、本当に貧乏なの?」と言われそうだが、こんなものを買ってしまうからよけい貧乏なのだ。
日本経済には貢献してるんだぞ、と。
とりあえずジャケット3種をピックアップ。左から、
デビューアルバム『彼女の名はジュリー(Julie Is Her Name Vol.1)』(1955年)
11枚目のアルバム『Julie At Home』(1960年)
12枚目のアルバム『Around Midnight』(1960年)
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