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2010年06月09日21:04

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宮部みゆき新作と乙一の日記

読書は好きなので読みかけた本を途中で放り出すことは、ほとんどありません。珍しく二冊続けて読めない本に遭遇したので、まずその報告をします。
「何でも見てやろう」小田実
50年代の海外旅行記だ。復刻されたので早速買ったが、読むに耐えない。昔の日本人インテリ特有の骨まで滲み込んだ白人コンプレックスとその反動の空威張り、それに加えて若僧の青臭い気負いがミックスされて吐き気をもよおす。不快きわまりなし。

「デカルトの密室」瀬名秀明
『パラサイト・イヴ』が面白かったので試してみたが、硬すぎて退屈。こっちは嫌悪を感じたわけではないので、再挑戦するかもしれない。

ちゃんと読んだ本を二冊。
・小暮写真館 作・宮部みゆき
主人公の高校生が友人たちと共に、心霊写真の謎に挑む。
プロットや感情の描き方の巧みさは、さすが宮部である。
しかし、ヌルい。甘すぎ。辛辣な設定なのに、主要人物が善人すぎ。
フォークダンスの順番に整理券が必要なほどのイケメンで、やたらといい奴。
スポーツマンの「鉄ちゃん」は、フリースクールの不登校児たちに優しい。
自殺未遂を繰り返す事務員を、親身になって世話する零細不動産屋の社長。
とどめに主人公の弟、天才小学生。ありえねー!

人間てもっと自分勝手でドロドロしてるだろ、ふつう。特に男子高校生なんか、自我と見当違いなプライドと性欲が服を着て歩いてるような存在だぞ。こんなに他人に気配りできる奴は、いないって。

ストーリーの面白さは評価するので、星三つ。★★★

・小生物語 作・乙一
ブログで連載した作者のウソ日記。面白いというものではないが、妙な味がある。
随所に筆者らしいセンスが光っているので、愛読者は一応チェックしたほうがいいかも。
★★★
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