4月の二期会の『ルル』公演でルルを歌った宮地江奈に魅せられて、一週間後のこのオケの公演に行ったのだ。
このときはR.シュトラウスの曲ばかりで、彼女が『四つの最後の歌』を見事に歌ったのも素晴らしかったのだが、ほかの曲もとても良かった。特に『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』が抜群におもしろかった。
というわけで早々に今日の公演のチケットを取った。
平林遼:指揮
オーケストラ・ラム・スール
鷲尾麻衣:ソプラノ *
01.ヴェーゼンドンク歌曲集 *
<休憩>
02.ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調(ハース版、第2稿)
『トリスタンとイゾルデ』につながる作品として重要。ただ成立の背景はインモラル要素たっぷりなので、それはまあ置いておいて、ということにしよう。ワーグナーはホントに人でなしなのに作品はいいという典型だな。
それはともかくとして、いい曲なのは確かだが、オーケストレーションは1曲を除き実はワーグナーではない。ということもあって、この曲は歌手を聴くべきと思っている。
ソプラノの鷲尾麻衣を聴くのは初めて。
暖かみのあるいい声をしている。もともとメゾでも歌えるくらいの音域なので、よりそう聴こえたのかもしれない。
内容的にも難しい曲だと思うが、見事に歌いこなしていた。声と技術を併せ持ついい歌手だ。
オケは弱音中心なので大変だったろう。特に金管。
休憩を挟んでブルックナーの8番。
この曲は版の問題がややこしい。なので深く入り込まないようにしている。
ハープは「できれば3台」というのが作曲家の指定だが、今日は2台。十分だろう。
第1楽章と第2楽章は快速。あっという間に終わったという感じだ。
ところが第3楽章と第4楽章はめちゃくちゃ遅い。
全体で95分くらいだったろうか。
解説によると、第4楽章のブルックナーの指示は「遅く」なのだそうだ。なので必然性のあるテンポ設定だとのことだろう。
それでもいささか遅すぎなのではないか、というのは習慣として演奏される速さに慣れてしまっているからか。
ただ聴き応えはあったし、こういう解釈があってもいいと思う。
無難にまとめた演奏よりはよっぽどいい。(無難にまとめるのだって立派なのだが)
賛否両論は覚悟のうえだろう。むしろそうあって欲しいと願っているフシもある。
やはりこの平林遼という指揮者はタダモノではない。
オケはそのただならぬ遅いテンポにしっかり応えた見事な演奏を繰り広げていた。
いい意味でアマチュアリズムに徹したアプローチだったと言えるのかもしれない。
余談だが、今日のブルックナーを聴いて、ブルックナーはミニマルミュージックの先駆けなのかもしれない、なんてファンから怒られそうなことを思った。
主張のあるいい演奏会だった。
だが妙に疲れたというのもあるかな。
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