mixiユーザー(id:3696995)

2026年07月12日21:56

86 view

新交響楽団@東京芸術劇場

故芥川也寸志により1956年に結成されたそうだ。
奇しくも今日はその芥川也寸志の誕生日。彼の誕生日に彼が結成したオケを聴く。これも縁ということだろう。
後付けで知った話だが…。
アマオケでもトップクラスの実力とのこと。
それ以上にヤナーチェクの『タラス・ブーリバ』がプログラミングされ、しかもここでオルガンを弾くのが石丸由佳とあっては行くしかないだろう。

ホールに入って、近未来的な造形のパイプオルガンに驚いてしまった。
ここは2種のオルガンが180度回転するようにできている。
ここには何度も来たことがあるが、こちらのオルガンが見えている状況は初めてだったのだな。

湯浅卓雄&新交響楽団
石丸由佳:オルガン *

01.シベリウス:交響的幻想曲『ポヒョラの娘』 Op.49
02.ヤナーチェク:狂詩曲『タラス・ブーリバ』 *
<休憩>
03.シベリウス:交響曲 第5番 変ホ長調 Op.82

シベリウスの交響詩系は交響曲よりもむしろ難解なものがある。
『ポヒョラの娘』も具体的な物語があるにもかかわらず捉えどころがないような気がする。
それなのに今日は楽しく聴けた。
冒頭のチェロのソロで鳥肌が立った。寒々とした景色が見えてきそうだ。
金管特にホルンが安定している。
評判に違わず極めてレベルの高いオケだと確信した。

期待が募る。

タラス・ブーリバとはコサックの首領のこと。ゴーゴリの小説に基づく。
3曲からなる組曲あるいは交響詩だろうが、狂詩曲と名付けられているのが不穏である。それもそのはず、曲は以下の通りで、
 1.アンドレイの死
 2.オスタップの死
 3.タラス・ブーリバの予言と死
3曲とも「死」を描いたものなのだ。ちなみに、アンドレイとオスタップはタラス・ブーリバの息子。
ヤナーチェクらしいというか、風変りというか、濃い音楽だ。
1曲目と3曲目にオルガンが使われる。しかし出番は多くない。この曲がプログラムに乗らないのはそこにも原因がありそうだ。

細かいところまで目の行き届いた演奏。微妙なニュアンスまでよくわかる。
野趣に富みつつも、洗練されたオーケストレーションを聴かせる。ヤナーチェクのユニークさというのが伝わってくる。
弦が特に美しい。

オルガンには先述の通り名手石丸由佳が招かれている。
彼女の演奏を彼女のホームの所沢ミューズ以外で聴くのは初めてだ。
1曲目ではドローンのように弾かれるだけ、3曲目でも終盤にガッツリ鳴らすところがあるだけ。
なのでこの曲を知らずに、彼女の演奏を目当てにすると、その活躍の場面の少なさにガッカリすることだろう。チラシやHPにも彼女の名前を告知していなかったのにはそういう理由があったのかもしれない。
もちろん承知の上なので、問題なし。
この曲を実演で聴けただけで満足だし、ましてオルガンを彼女が弾くとあっては贅沢すぎる。

休憩を挟んで、シベリウスの5番。
シベリウスの音楽が北欧的かどうかはともかく、独自の音を持っているのは間違いない。
編成は大きくない。しかし弦も木管も金管も難しいだろうなと思う。
弦も木管も透明度の高い音で奏でる。金管は揺るぎない。
明らかにシベリウスの音だよ。
いい演奏だった。

きっちりとアンサンブルをまとめ上げ、なおかつ細部まで疎かにしない指揮者の手腕も見事だったと言えるだろう。

良い意味でアマオケらしくない。
どのオケでも課題となることの多いホルン・パートが安定しているのが強みのひとつだな。
充実した演奏会だった。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年07月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031