新宿西口にある管楽器屋さん「dolce」のホール(アーティストサロン)でのコンサート。
台風12号接近という状況だったが、昼間だから大丈夫だろうと出かけて行った。
東京交響楽団の首席オーボエ奏者で六人組のメンバー、彼女のコンサートは5月のサントリー・ブルーローズ以来。あのときのコンサートは彼女のポテンシャルを見せつけられたものとして忘れ難いものだった。
今回のようなリラックスしたアット・ホームな雰囲気のコンサートもいいものだ。
荒絵理子:オーボエ(ob)
上野由恵:フルート(fl)
遠藤直子:ピアノ(pf)
01.ドニゼッティ:オーボエ・ソナタ ヘ長調(ob、pf)
02.サリエリ:フルート、オーボエのための協奏曲より第1楽章(fl、ob、pf)
03.モーツァルト:オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K370(ob、pf)
<休憩>
04.カリヴォダ:サロンのための小品 Op.228(ob、pf)
05.ニーノ・ロータ:3つの二重奏(fl、ob)
06.ドゥメルスマン&ベルテルミ:ウィリアム・テルの主題によるグランドファンタジー(fl、ob、pf)
<アンコール>
07.ヴァヴィロフ:カッチーニのアヴェ・マリア(fl、ob、pf)
『ランメルモールのルチア』は好きなオペラだが、ドニゼッティにオーボエ用の名品があることを彼女のCDによって知った。
魅力的なメロディーが散りばめられた曲で、しかも技巧的。奏者を選ぶ曲だなあ、と思う。さすがだ。
最近はサリエリの曲もずいぶん演奏されるようになったという印象。
原曲はどうなのだろう、全曲はどうなのだろう、と興味をそそられる。
六人組の同僚、上野由恵とのコンビネーションも抜群。
モーツァルトの名品をピアノとのデュオで。
節回しが巧いよなあ。さらっと流しているようで、どこか感情に引っかかる何かを残してくれる。
こういうのを「Something Else」と言うのだろうと思う。
弦楽パートを担うピアノは大変だろうと思う。
コンサート通して的確な伴奏を聴かせたこのピアニストは信頼度が高いのだろう。伴奏には伴奏の難しさがある。と同時に楽しみもあるのだろう。
しかしオーボエの音色というのは心地いい。
休憩を挟んで後半も超絶技巧曲から。
カリヴォダという作曲家は前期ロマン派くらいの時代の人らしい。この作曲家自体を彼女のCDで知った。
サロンのためと言っているわりには超絶技巧だぞ。楽しい曲だけどね。
もちろん彼女の演奏は綻びひとつ無い。
映画音楽で知られるニーノ・ロータ。彼は純正クラシックの作曲家でもあった。と言いつつも映画音楽以外の作品をほとんど聴いたことはない。
チャーミングな小品だ。時代を反映した作品ではないが、音楽が前衛でなければならない理由などない。時代の先端を行く音楽も必要だろう。しかし、こういう作品があってもいい。
最後はヴィルトゥオーゾ炸裂作品。ロッシーニの『ウィリアム・テル』の馴染みのメロディーが出てくる楽しい作品だ。こういう曲は無心で超絶技巧を楽しめばいい。
アンコールはカッチーニのアヴェ・マリア。カッチーニの曲でないことは周知の事実。
まあ、そんなことはどうでもいい。
オーボエがメイン・メロディーを抒情的に奏で、低音のオブリガートを担うフルートは饒舌だ。
楽しいコンサートだった。
さて、次回は明々後日に東京六人組。
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