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2015年12月06日21:50

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ポール・メイエ&都響@調布グリーンホール

休日のマチネーというのはなかなかいい。
今日は調布のグリーンホールにて東京都交響楽団のコンサート。
指揮はあのポール・メイエ。
そう、木管アンサンブルのレ・ヴァン・フランセのクラリネット奏者のあのポール・メイエである。レ・ヴァン・フランセのコンサートやピアノとのデュオ・リサイタルは聴いたことがあるが、オケを指揮するのを聴くのは初めてである。

クラリネットを吹かせれば超一流。しかし、指揮はどうなのだろう?

01.メンデルスゾーン:序曲『フィンガルの洞窟』 Op.26
02.モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
<アンコール>
03.ソンドハイム:センド・イン・ザ・クラウンズ(クラリネット・ソロ)
<休憩>
04.メンデルスゾーン:交響曲 第4番 イ長調 『イタリア』 Op.90

序曲 → 協奏曲 → 交響曲、という王道のプログラム。

メイエの指揮ぶりはとても拍が取りやすそうだった。彼は指揮棒を持たない。
個性的な解釈で聴かせるというよりは、曲そのものの美しさで聴かせる演奏だった。
それにしてもいい曲である。完璧な曲というのはこういうものを言うのだろう。序曲と言っているが、事実上の交響詩であろう。
この曲の原題は『Die Hebriden』という。スコットランド西側のヘブリディーズ諸島を描いたものである。この島々にはウィスキーの蒸留所がたくさんある。シングルモルト・ウィスキーのファンにとってはそうした点でも思い入れのある曲なのだ。残念ながらフィンガルの洞窟のあるスタファ島には蒸留所はないのだが。

モーツァルトのコンチェルトは吹き振りというよりは、オケの自発性に任せ、自在なクラリネットを聴かせるという感じだ。
さすがに上手い。音色といいフレージングといい自由闊達。

アンコールはクラリネットのソロ。
ソンドハイムという人は主にミュージカルの作曲家で、この曲は『リトル・ナイト・ミュージック』中の曲で、グラミー賞を受賞している。

後半はメンデルスゾーンのイタリア。
古今数ある交響曲の中で完璧に近い曲だと思う。
メンデルスゾーンらしく美しいメロディーを惜しみなく繰り出してくる。実演で聴くと、メンデルスゾーンのオーケストレーションの巧みさ(ことに木管)に改めて驚かされる。
天才だったのだなあと思う。
終楽章のサルタレロはまさに天才の筆によるものと言えよう。
メイエはここでも慌てず騒がず、堅実に歩みを進めていく。
サルタレロでも熱狂はしない。クールなリリシズムで美しく響かせる。激しさよりも優美さ、そんなサルタレロだった。
全体的にメロディーをしなやかに歌わせていたという印象。恣意的な解釈からは遠く、あるべき姿で再現させようとしていたように思う。
強烈な個性には欠けるが好感度の高い音楽づくりだった。

というわけでメイエはたっぷり楽しませてくれた。
やはり非凡な人である。
あたりまえだが、ただのイケメンではない。

グリーンホールを訪れたのは何年ぶりだろうか。
おそらく成人式以来であろう。
あのときはずいぶん大きなホールに感じたものだったが、実際にはそんなに大きくはなかった(1300人ほど)。
調布もずいぶん変わったが、変わらないものもまだまだたくさんあるようだ。
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