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2015年03月31日23:27

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アレクサンドル・メルニコフ@上野学園 石橋メモリアルホール

アレクサンドル・メルニコフによる24の前奏曲シリーズ第2回。
会場を東京文化会館から上野学園に替えて、今夜はドビュッシー。
1910年作製のプレイエル・ピアノを弾くというのも話題のひとつ。ショパンやドビュッシーが好んだと言われているプレイエル。歴史のあるフランスのメーカーだが、2013年に製造中止を発表。晩年は受注生産のみだったらしい。

01.ドビュッシー:前奏曲集 第1巻
<休憩>
02.ドビュッシー:前奏曲集 第2巻
<アンコール>
03.プロコフィエフ:束の間の幻影 Op.22より、Ridicolosamente
04.ラフマニノフ:13の前奏曲より、第5番 ト長調
05.ブラームス:幻想曲集 Op.116より、インテルメッツォ

12曲ずつ2巻の前奏曲集で合わせて24曲になる。
ただ、バッハやショパン、先日のショスタコーヴィチのように24全ての調で書かれているわけではない。というより、すでに調性の呪縛から解放された音楽である。
当時ではかなり前衛だったのだろう。

馴染んでいたのはミシェル・ベロフが1970年に録音したもので、極めて硬い音でシャープに弾き切っていて、これが私にとってのLP時代からのスタンダードになっていた。

メルニコフは暖かな音でピアノを鳴らす。
その音色がフランス近代に合うのかどうか。不安ではなく興味を覚えていた。彼の弾くフランスものは録音でも聴いたことがなかったが、彼ほどの名手なら間違いなく上手く弾く、もしかすると今までのドビュッシー像を一新させてくれるような演奏を聴かせてくれるのではないかと期待していた。

軽やかなタッチ、柔らかな音色。
音の粒立ちはいいのだが、どこか紗のかかったような印象。
スーラやシニャックの点描のような画法ではなく、モネやルノワールのようなもう少し色調が強く微妙に混ざり合っているような感じ。そんな音の繋がりが色彩のグラデーションのように感じられる。光と影の織り成す綾、たゆたうような色の移り変わり。
なるほど、印象派であろう。
ドビュッシーには寒色系の音色が合うと思っていたのは単なる思い込みだったようだ。
名手は見事に料理するものである。メルニコフの演奏には「これでいいのだ」という確信に満ちたものがある。なので安心して彼の音色のパレットを楽しめばいい。
ドビュッシーの愛したプレイエルの音色を得て、ドビュッシーの思い描いた音像はまさしくこれだったのではないか、そんな気がした。

いいものを聴かせてもらった。

明日はいよいよショパン。
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