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2014年04月30日23:09

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モイツァ・エルトマン&グザヴィエ・ドゥ・メストレ@オペラシティ

先週22日(火)に王子ホールから始まったモイツァ・エルトマン(ソプラノ)とグザヴィエ・ドゥ・メストレ(ハープ)という美女美男のデュオ。神戸と京都を経て東京に戻ってきた。今夜はオペラシティ・コンサートホール。
一昨年の来日時はずいぶん遅れて手配したので後ろの方だったが、今回は早めに行くことに決めたので前の方(というか、最前列)。ピアノではなくハープという繊細な楽器だけに、これは正解だった。

モイツァ・エルトマン:ソプラノ
グザヴィエ・ドゥ・メストレ:ハープ

01.シューベルト:男なんてみな悪者 Op.95 D.866-3
02.シューベルト:至福 D.433
03.シューベルト:乙女 D652
04.シューベルト:野ばら Op.3-3 D.257
05.シューベルト:月に寄せて D.259
06.シューベルト:糸を紡ぐグレートヒェン Op.2 D.118
07.モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第15番 ハ長調 K.545(ハープ・ソロ)
08.モーツァルト:さあ早く来て、いとしい人よ(『フィガロの結婚』より)
09.ベッリーニ:ああ幾度か(『カプレーティとモンテッキ』より)
<休憩>
10.R.シュトラウス:ひどい天気 Op.69-5
11.R.シュトラウス:万霊節 Op.10-8
12.R.シュトラウス:私の思いのすべて Op.21-1
13.R.シュトラウス:何もなく Op.10-2
14.R.シュトラウス:あなたは私の心の王冠 Op.21-2
15.R.シュトラウス:セレナーデ Op.17-2
16.スメタナ:モルダウ(交響詩『わが祖国』より)(ハープ・ソロ)
17.ヴェルディ: 慕わしき人の名は(『リゴレット』より)
18.サリエリ:あなたの娘が震えながら(『ダナオスの娘たち』より)
19.プッチーニ:私のいとしいお父さん(『ジャンニ・スキッキ』より)
<アンコール>
20.R.シュトラウス:ときめく心 作品29-2
21.シューベルト:万霊節の連祷

若干かぶるとはいえ、王子ホールのときとは異なるプログラム。
シューベルトを聴けたのが嬉しい。ことに『乙女』と『糸を紡ぐグレートヒェン』が良い。この歌手が美声と技巧で歌うだけの歌手ではないことを知るにはこの2曲を聴けば十分だ。後者の狂気すら覗かせる歌唱には凄みがある。鳥肌が立ちっぱなしだった。ちなみに、『乙女』はもともとの予定だった『死と乙女』に替わってうたわれたもの。
そうかと思うと『男なんてみな悪者』のような曲でのコケティッシュさ炸裂も見事。
前半最後に置かれたアリア2曲の説得力も抜群。知らず知らずのうちに彼女の世界に引き込まれている。ジュリエットのアリア『ああ幾度か』は感涙もの。
もちろん、メストレのハープも素敵だ。
ホールの後ろの方や2階席ではどう聴こえたのだろうか?

後半はシュトラウス。これも前回とは違う曲が含まれている。というかプログラム上は『セレナーデ』しかかぶっていない。
前期ロマン派の歌曲よりさらに複雑な情感を描くこの歌曲たちを、彼女はもつれた糸を丁寧に解くかのように歌う。感情の振幅は大きいのだが、それは決して大仰だったり嫌味になったりはしない。サラッとした質感でそっと心に入り込んでくるような歌唱なのである。
やはり彼女の歌は素晴らしい。
そして機敏に反応するメストレもさすがだ。

サリエリの書いたアリアはCDにも収録されている曲。
密かにいい曲だと思っていたので、ライヴで聴けたのは嬉しい。

メストレのソロではモーツァルトのソナタは前回と同じ。きらびやかな音色が楽しめる。
後半、フォーレの即興曲に代わって演奏されたのが、スメタナの『モルダウ』。優雅で格調の高い演奏だった。洗練された『モルダウ』というのを聴けるのは珍しい。演奏中、彼の息遣いが激しく、相当な難曲なのだなあと思わされた。

アンコールはシュトラウスとシューベルト。
『万霊節の連祷』はクロージングに相応しい。このあまりにも美しい歌曲を語りかけるように歌う。リリカルなハープにも心打たれる。

このデュオは大正解だったのではないだろうか。

前回といい今回といい素晴らしい夜だった。
広い会場のためか、気持ちよさそうに歌っていた。
まさに夢の中のミューズ。ますます魅せられてしまった。
次の来日を楽しみにしていよう。

これで明日が休みなら最高だったのだが…。
休日出勤はまだ続く…。
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