※ ネタバレ注意
私は年末に第九を聴くという習慣がないので音楽で年末を感じるということは少ない。
クリスマス・コンサートといった類も特に意識して行こうということもない。クリスマス・コンサートはアウラで十分だというのもある。
今年はそのアウラに先駆けて1本入ったので、それだけでクリスマス・コンサートがたくさんという印象だ。
Bunkamuraオーチャード・ホールにてKalafinaのクリスマス・コンサート。
Kalafinaとは女性3人のヴォーカル・ユニット。奈須きのこ原作によるアニメ映画『空(から)の境界』の音楽のためのプロジェクトとして始まり、現在の形で落ち着く。
クリアーなハイトーン・ヴォイスのWakana、チャーミングな声ながら野性味もあるHikaru、迫力のある低音でボトムを支えつつソロも取れるKeiko。初期のプロジェクト的な時期を除けば、ずっとこの3人で活動している。
すでにアルバム4枚、2枚組ライヴ・アルバム、映像作品3作をリリースしている。
8月4日の国際フォーラムでのライヴの記憶も新しい。
そのライヴを収録した映像作品がリリースされたばかりなので、鮮やかに記憶が甦ってくる。
今回は弦楽四重奏とピアノという編成のアコースティック・ライヴ。
HP先行抽選で割り振られた席はなんと3階席のいちばん後ろ。競争率が高かったようだから観られるだけで良しとすべきか。
Kalafina、実はかなりの人気なのである。
NHKの番組「歴史秘話ヒストリア」のオープニングとエンディングに使われているので、知らずに耳にしたことのある人も少なくないことと思う。
01.讃美歌102番 もろびと声あげ
02.君の銀の庭
03.Eden
04.春は黄金の夢の中
05.sandpiper
06.storia
07.al fine
08.Door
09.屋根の向こうに
10.ひかりふる
11.オー・クリスマス・ツリー(もみの木)
12.dolce
13.うつくしさ
14.花束
15.seventh heaven
16.snow falling
17.アレルヤ
18.sprinter
<アンコール>
19.木苺の茂みに
20.夢の大地
21.ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス
クリスマスらしい白いドレスで登場。
照明効果でドレスに柄が浮き上がるように見えるときもあり、そうした演出も美しかった。
アンコール含めて2時間強。
最新アルバム『consolation』からの曲(07、08、10、14、19、20)以外は前回のツアーで歌わなかった曲ばかり。
アップテンポの人気曲を敢えて捨て、ミディアムないしはスローな曲ばかりを集めていた。
曲の骨格がよくわかる編成で、それだけに誤魔化しがきかない。勇気と自信あってこそだ。音量を上げすぎることもなく、歌の微妙なニュアンスもよく聴き取れる。
こういうクラシカルな編成でも全く違和感なく、むしろ曲によってはこの方が合うと思えるものも少なくないように思う。
01、11、21がクリスマス・ソング。
ポピュラー過ぎる曲を選ばないところがニクイね。
それにしてもKeikoの低音は素晴らしい。日本人で低音で熱唱できる人は少ない。上背がなく首が細く短いという体格的な問題が影響している。声楽界を見ても日本には優れたアルト歌手が少ない。Keikoは特別背が高いわけでも首が長いわけでもない、それなのに魅力的な低音を出す。貴重な歌手である。
もちろんWkakanaもHikaruも素晴らしいパフォーマンスを聴かせる。
3人いてこそのKalafinaなのだが、それぞれに注目する聴き方もありだ。
やはりライヴで本領を発揮するミュージシャンは楽しい。
バックを務めた1stヴァイオリンとピアノは普段からKalafinaのバンドとして演奏している人たちで、Kalafinaの曲を知り尽くしている。それゆえ自在な演奏を繰り広げる。
オーチャードの上の方には初めて来たが、もともとさほど大きくないホールなので、あまり問題はなかった。全体を眺めることができ、こういう席でのんびり聴くのも悪くない。
驚いたのはとても静かだったこと。
クラシックのコンサートよりずっと静かだった。
いいコンサートだったね。
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