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2013年02月01日22:23

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トマトちゃん、あるいは小さな偉業

なんだか昔から好きだった。好きな音楽とはちょっとタイプが違うのだが、なぜか相性がよかったのだろう。なので、好きなバンドとして名前を挙げるとちょっと意外がられる。

リトル・フィート(Little Feat)、70年代のアメリカのバンドである。
アメリカのルーツ音楽をベースにしたバンドなのだが、どこか都会的な趣もあった。
泥臭さと洗練さ、そのバランスが絶妙だった。
ある意味、最もアメリカ的なバンドと言えるかもしれない。

フランク・ザッパのバンドにいたローウェル・ジョージを中心に結成された。彼は何よりスライド・ギターの名手として知られている。ソウルフルなヴォーカルにも味がある。
そしてリトル・フィートを特異たらしめているのがビル・ペインのキーボード。ジャンピーなピアノを中心にしつつも、ハモンドやローズで味付けをし、最先端のシンセも積極的に導入していた。
そして、リトル・フィートといえばリッチー・ヘイワードのドラミング。彼の繰り出すグルーヴが独特の粘りのあるリズムを生み出していた。技術だけでなく味のある大好きなドラマーだ。あのジョン・ボーナムに影響を与えたとも言われている。確かにタメの効いたビートは似ているかもしれない。
とにかく演奏が上手い。歌ものロックだが、演奏部分は技巧的なフュージョンのようでもある。リズム的なおもしろさもピカイチ。

ミュージシャンズ・ミュージシャンということで、日本のミュージシャンにもファンが多いそうだが、そんなことはどうでもいい。リトル・フィート好きは通だよね、という風潮は鬱陶しい。

リトル・フィートというと、一度見たら忘れられないようなジャケットも印象的。
1stアルバム以外はネオン・パークというアーティストが手がけていて、それがリトル・フィートの音楽の「ごちゃまぜのわけわからなさ」をよく表わしていた。

それの代表がこのトマトちゃんだ。
可愛いんだか不気味なんだかよくわからないが、女の子であるのは間違いないようだ。

『Waiting For Columbus』と題されたライヴ・アルバム。
内容もジャケットのインパクトに負けていない。というか、私はこれが彼らの代表作だと思う。キャリアを総括したようなベストな選曲、高度な演奏力、ライヴならではの即興、などこれにはリトル・フィートの魅力の全てが詰まっている。
スタジオでの差し替えも多少はあるのだろうが、まあ完璧なライヴ・アルバムと言ってもいいのではないかと思う。
ローウェル・ジョージとポール・バレルとのギター・バトルも熱いし、ビル・ペインのキーボードはプログレ的だし、ゲストのホーン・セクションもいい感じ。それにリッチー・ヘイワードのスネアがとってもいい音で鳴っている。このスネアの音だけでアルバム通して聴かせてしまう。

誰もが知っているような有名曲があるわけではなく、とっつきにくい感じではあるのだが、一度はまると抜け出せない。

結局、このライヴがバンドの全盛期の最後の記録になってしまった。
バンドとの方向性にズレを感じたローウェル・ジョージは解散を表明。そのすぐ後に急死する。

それから再結成されて現在も精力的に活動しているようだが、そちらには興味がない。
すでにリッチー・ヘイワードも故人となってしまっているというのもある。

70年代のリトル・フィートが残したアルバムはライヴや未発表編集ものを含めても僅か8枚。しかし、そのいずれもが聴き飽きることのない至宝である。
それでいいではないか、と思うのだ。

ちなみに、リトル・フィートとは小さな偉業という意味。
ローウェル・ジョージの足が小さかったことから、それをもじってそう付けられたらしい。
小さな偉業、その控えめな物言いがなんとも彼ららしい。

トマトちゃん以外の強烈なジャケットを載せておく。もちろんネオン・パークによるもの。
中央は2nd『Sailin' Shoes』、ブランコに乗ったケーキ、どういう絵だよ?
右は名盤とされる3rd『Dixie Chicken』、まともっぽいが、やっぱりまともではない。
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