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2012年10月13日23:11

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月岡芳年展(前期)@太田記念美術館

最後の浮世絵師と言われる月岡芳年。
私はこの絵師が大好きだ。江戸末期から明治にかけて、時代の変わり目だったという影響もあったのだろう、その作品にはどこか耽美的で頽廃的な空気感が漂う。
血みどろの無残絵、あるいは妖怪画でも知られる。もともと私はそこから芳年の世界に入っていった。
芳年を知ったのは、師匠の歌川国芳や同門の河鍋暁斎よりも後である。どちらも妖怪画の大家なわけだが、彼ら先達のおおらかな画風に対し、芳年の絵には凄絶さが伴う。ダイナミックで動きのある画面なのだが、どこか無常観が漂うのだ。
それゆえ惹かれるのだろう。

そんな芳年の展覧会が原宿の太田記念美術館で開催されている。没後120年記念の大々的な回顧展である。
およそ二ヶ月の開催期間を前期と後期に分け、展示をガラッと替えるらしい。
というわけで、少なくとも二度は足を運ばなければならない。

http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/H241011tsukiokayoshitoshi.html

見応えのある展覧会だ。
ただ、芳年の最高傑作とも言うべき『風俗三十二相』や『月百姿』の展示が少ないのが残念。
その代わり、芳年の全キャリアを通じて満遍なく出展されているという点では、やはり価値ある展覧会だと言える。

さすがに血みどろの壮絶な作品は凄まじいものがあるね。
初摺りの血の部分には膠が混ぜられていたようで、そのどろりとした質感が生々しい。

そうかと思うと、女性のはかなげな表情にも切実なものがある。
ことに八百屋お七の切なげな表情が印象的だ。

最近は芳年ブームなのか、彼の画集がいくつも刊行されている。
時代が彼の絵を求めているのかもしれない。
ある意味、耽美の極み。クリムトやモローに通じる世界。

この太田記念美術館は浮世絵専門という常設美術館。
原宿は表参道、ラフォーレの近くにある。
そういう場所で浮世絵を楽しむ。そういう非日常も楽しい。
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