昨年のせんくら最終日の朝、開場を待つ間、休憩所でコーヒーを飲んでいた。
そこに初老というにはまだ早いであろう男性がやってきてハンバーガーを食べ始めた。そこに一人の女性登場。奥さんのようだ。ハンバーガーを食べている彼に近づき、「いっつも勝手なことばかりして。もう私はイヤです。帰ります」と言って、チケットを叩きつけて(実際はテーブルに置いただけ)、去っていった。男性は何事もなかったかのようにハンバーガーを食べ続けている。
いいのか、追いかけなくて。
結局彼はハンバーガーを食べ終えてからゆっくりと席を立った。
それからどうなったのか気になって仕方がなかった。
二人で楽しもうとチケットを取ったのだろうに、それが夫婦ゲンカになるとは。
結末を知りたかったが、わかることはないだろうと思っていた。
ところが世間は狭いというか、仙台でクラシックというキーワードではさらに狭いというか、今年その夫婦を目撃したのだ。
二日目の青年文化センターの休憩所、まさに昨年目撃した場所で、その夫婦二人を目撃した。
すぐに会場から出て行ってしまったが、なんとなく安心した。
夫婦でいたんだね。続いていたんだね。あれで破局にはならなかったんだね。
しかし、二人で出て行く様子は仲良さそうではなかったのだが…。
まあ、夫婦のあり方なんてそれぞれだからね。
で、最終日の長い空き時間、二階シアター・ホール入口前の椅子に座ってアンケートを書いていると、例の奥さんが目の前にいた。間もなく開演のその公演を聴くらしい。あたりをキョロキョロ見渡している。
そうか、旦那が来ないんだな。
痺れを切らして奥さんは様子を見に行ったようだ。
そろそろ開演時間になるというときになって、二人で戻ってきた。
奥さんはさっさと入場していくが、旦那はのんびりとしている。
もしかしたら旦那はこの公演に乗り気ではないのか?
何はともあれ、夫婦で行動しているわけだ。
まあ、夫婦の仲なんて外からではわからないしね。
そんなことはすっかり忘れて最後の公演。
川久保賜紀、遠藤真理、三浦友理枝のトリオである。
これは大きなホールで指定席。
そこでビックリ。
なんとわれわれのちょうど後ろの席があの夫婦だった。
仲良く話していたよ。
ところが突然奥さんが「いいわね、幸せで、いっつも人のせい」と呟くように言うと、その後は沈黙…。
演奏は楽しんだみたいだけど。。。
拍手も一生懸命していたようだし、二人でホールを出て行った。
ま、そういう夫婦なんだな。
きっと彼らは彼らなりにせんくらを楽しんだのだろう。
夫婦で一緒に楽しめるものがあっていいじゃないという意見もあるだろうし、なんだかんだ言っても一緒に出かけているのだからな。ウキウキしながらどの公演を取るか話し合っていたこともあるのだろうし。もっとも、最後は険悪な雰囲気になったのかもしれないが。
まあ、別れてなくてよかったよ。
来年また会いましょう。
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