ジョン・ロードが亡くなってしまった。
ディープ・パープルのキーボード奏者。
71歳だったそうだ。昨年ガンを患っているというニュースが流れていたので心配していたのだが…。
正直なところ、ジョン・ロードには特に思い入れがあるわけではない。
ディープ・パープルに対してもさほど思い入れはない。
ただ、ジョン・ロードは間違いなくロック・キーボードのイノベーターだったと思う。
レスリー・スピーカーを通した歪んだオルガン・サウンドは、まさしくロック・オルガンを象徴するものだった。
しかし、ディープ・パープルでも後のホワイトスネイクでもいい、彼は自分のやりたい音楽をできたのだろうか?
彼がいちばんやりたかったのはパープルの4枚目、オーケストラと共演したような作品ではなかったか。
パープルが成功するのはその後『イン・ロック』にてハード・ロック・サウンドに路線変更してからである。もちろん、彼はそれ以降も卓越したプレイを披露している。パープルになくてはならない存在は、リッチー・ブラックモアでもなく、イアン・ギランでもなく、ジョン・ロードだったのは確かだろう。
しかし、彼のオルガン(キーボード)はどんどん目立たなくなっていく。
ホワイトスネイクではほとんど白玉しか弾いていないのではないかと思えてしまうほどだ。
バンド・サウンドをコーディネートすることに面白みを見出していたのかもしれない。そうだったとしても、私は彼の超絶プレイを聴きたかった。
本当はもっとオルガンを弾きまくりたかったんじゃないの?
そんなことを訊いてみたくなる。
ハモンド・オルガンの名手としてもう一人挙げられるのがユーライア・ヒープのケン・ヘンズレー。
ヒープのサウンドはパープルとは逆にキーボードを前面に押し出していた。その結果、イエスやEL&Pといったプログレッシヴ・ロックとハード・ロックを結び付ける存在として確たる地位を築いていた。
当初ジョン・ロードが目指した路線もそうしたものだったのではないだろうか。
なので、ジョン・ロードについては複雑な思いがよぎるのだ。
結果として冷や飯ばかりを食わされていた、そんなふうに思うこともあるのだ。
私にとって彼のベスト・プレイは『ファイアボール』のオルガン・ソロ。ディープ・パープル6枚目のアルバムのタイトル曲である。
短いが素晴らしい演奏である。
数ある名演の中からこれを選びたい。
ディープ・パープルの『イン・ロック』『ファイアボール』『マシーンヘッド』の3枚はメンバー間のバランスのとれた掛け値なしの名盤である。メンバー・チェンジ後の『紫の炎』もいい出来だが、ジョン・ロードはやや精彩を欠いているように思える。
なんにしても彼が後世に与えた影響は大きい。
冥福を祈る。
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