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2012年03月30日22:32

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炎の導火線

オリジナル・ヴォーカリストであるデイヴ・リー・ロスが28年ぶりに復帰したヴァン・ヘイレンの新作はなかなか良かった。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1828015948&owner_id=3696995
懐かしくなって古いアルバムを聴きたくなった。

デビューは1978年だったのか。
75年頃かと思っていた。ずいぶん難しい頃にデビューしたものである。
パンクやニューウェイヴが台頭し、ハードロックは時代遅れだった。
それでも売れたのだからたいしたものだと思う。

デイヴのハチャメチャ具合が注目されていたが、かなりしっかりした音楽を作っていたのだなあ、と思う。エディ・ヴァン・ヘイレンのギター・ワークが世のギター・キッズを虜にしただけでなく、リズム・セクションもアグレッシヴだ。大味なようで意外に緻密なのがヴァン・ヘイレンの音楽だったのか。
オリジナリティ溢れるギター・サウンドに、ブンブン唸るベースに、スネアの抜けの良い音が独特なドラム。バンドとしてばっちり決まったサウンドになっている。ヘタウマシャウトのデイヴの力を抜いたような歌い回しもぴったりはまっていた。
典型的なハード・ロック・サウンドと思いきや、結構ワールド・ワイドな素材を取り入れているようにも思う。単にアメリカン・サウンドとは言えない奥の深さが魅力である。ミクスチャーという言い方もできそうだ。

弟エディの賞賛の陰に隠れ、ほとんど注目されることのない(むしろ下手と言われる)アレックスのドラミングも個性的だ。傑出した技巧派とは思わないが、少なくとも下手ではない。なによりスネアの音がいい。この音だけで名ドラマーの仲間入りだよ。ドラマーだってどんなにテクニックがあってもそれだけではダメ。やっぱり音なんだよ。個性的な音を出すドラマーは聴いていておもしろいし飽きない。

マイケル・アンソニーのベースもいいよ。音圧の高さがいいね。存在感がある。
ワイルドな顔つきに似合わず、ハイトーンのコーラスが綺麗でね。むしろこちらの方で現在の彼の不在を嘆く人も多いのかもしれない。

私にとってのヴァン・ヘイレンはデイヴ在籍時、アルバムで言うと6枚目『1984』まで、ということになる。
デイヴより間違いなく歌が上手い後任者サミー・ヘイガーがヴァン・ヘイレン・サウンドとイマイチ合わないような気がするのだ。上手ければいいというわけではないところがロックの難しさ。気のいい兄ちゃん的なデイヴの存在感は大きかったね。さらにそれだけでなく、大ヒットした『ジャンプ』を含むアルバム『1984』からポップで軽くなり始めたように思うからだ。だからサウンド面でもギリギリ『1984』までなのだ。『ジャンプ』のシンセ・サウンドには驚かされたし、ベースのミックスもオフ気味。ドラムのリズム・パターンもシンプルになっている。時流に乗ったということなのかなあ、とヒットをよそにちょっと淋しく感じたものである。まあ、今なら素直に聴けるが。

やはりデビュー・アルバムが素晴らしいし、いちばん好きだ。『炎の導火線』という邦題はどうかと思うが、まあ許そう。全てのパートがイマジネーションに溢れている。LPで言うA面の流れは圧巻だ。キンクスのカバー『You Really Got Me』のインパクトは強烈。4曲目『Ain't Talkin 'Bout Love』のリフがカッコいいね。
ハード・ドライヴィングなサウンドとしてはアメリカ随一だったのかもしれない。後のメタルへつながるようなサウンドだったようにも思う。
3rd『暗黒の掟(Women And Children First)』(これも傑作)まではこの路線で突っ走り、4th『戒厳令(Fair Warning)』で音楽性の幅を広げ始める。地味ながら好きなアルバムだ。しかし、これが『1984』への布石になったのだろう。

それにしても、今でも十分に聴けるというのは驚くべきことだ。
あの時代のロックは凄かったんだなあ、と改めて感じている次第。

写真は左から、1st『炎の導火線』、3rd『暗黒の掟』、4th『戒厳令』。
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