試験が一段落するまでは、と本を読むのをやめていたのだが、ほんのちょっと解禁した。
買うだけ買って読まずにガマンしていた本。
今新刊が出るのがいちばん楽しみな作家、湊かなえの新作『境遇』である。
読み始めたら止まらなかった…。
以下、帯に記載された紹介文。
デビュー作の絵本『あおぞらリボン』が
ベストセラーとなった陽子と、
新聞記者の晴美は親友同士。
共に幼いころ親に捨てられた過去を持つ。
ある日、「真実を公表しなければ、息子の命はない」という
脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。
ふたりが辿り着いた「真実」とは…。
すでにドラマ化が決まっている。
ということは、執筆段階あるいは構想段階からドラマ化を意識して書かれたのだと思う。
おそらくそのためだろう、それまでの彼女の作品に比べると謎も人間関係も複雑ではない。登場人物もどちらかというとステレオタイプな描き方になっている。
少なくとも湊作品の最高傑作の部類に入るものではない。
それなのに、ぐいぐい引き込まれてしまうのは作者の手腕だろうか。ストーリーのテンポがよく、語り口が上手い。大がかりな仕掛けなどなくても読ませる力があるということだ。
もっとも湊作品としては物足りなさを感じるのも確かだが…。
この本には作品中で重要なアイテムとなる絵本『あおぞらリボン』が同梱された箱入り仕様のものがある。こちらがオススメだ。
本編のおまけではなく、絵本としてなかなか良い。水彩っぽい色調の絵が魅力的だ。
湊かなえファンからはあまり評判が良くないようだが、傑作ではないが楽しめると思う。
ただ、それでドラマを見たくなったかというと、微妙である。
この冬に放送予定とのことだが、結局見ずに終わってしまいそうな気がする。
そんなことよりも、やはり楽しみは次の作品だ。
複雑で錯綜した謎と張りまくった伏線と衝撃のどんでん返しの湊かなえワールドを期待したい。
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