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2011年03月23日22:29

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寺井尚子の新譜『Limelight』

ジャズ・ヴァイオリニストの寺井尚子さんの新しいアルバム『Limelight』がリリースされた。いったい何枚目になるのだろうか? え、スタジオ・アルバムだけで13枚? すごいもんだなあ。もちろん全て持ってますよ。ほとんどサイン入りで。
今回はクラシックと映画音楽がテーマ。
ギターが抜けたり、ベースが何度か替わったりしているが、このグループになって早10年くらいか。こうなるとどこを切っても金太郎状態とも言えなくもないが、この人の本領はライヴにあるので問題ない。というより、安定した高レベルの作品を作り続けているという点では安心感もあるし、何より有無を言わせぬ説得力がある。
というわけで、今回も寺井節全開。どんな曲を演奏しようとも結局「寺井尚子の音楽」になってしまうのだから恐れ入る。エモーショナルな音色と、口ずさめそうな歌心溢れるソロ。それ以上の何を求めるというのだ。十分ではないか、と思う。
基本的に尚子さんはバッパーだと思う。根っこにあるのはビバップ(あるいはハード・バップ)だろう。ただ、取り上げる曲にかかわらず、ヨーロッパ的な雰囲気が漂っているように思う。メロディーの歌いまわしによるのだろうか。

ショパンの24の前奏曲から第4番、この曲集は一昨年から聴き続けていたにもかかわらず、一瞬わからなかった。まさにリメイク。バッハのシャコンヌもソロ・パートに入るとエキサイティングな展開。カッチーニの『アヴェ・マリア』はテーマを奏でるだけで泣かせる。クラシックの奏者にはないメロディーの歌わせ方だ。続くアドリブもスコアに書かれた曲のようである。
『ゴッドファーザー』の情感たっぷりの演奏もいいし、バーンスタインの『サムホエア』も渋いところだ。
ちなみに、水を差すようだが、三大アヴェ・マリアのひとつと言われるカッチーニ作品。実はこれはカッチーニの作品ではないというのが定説になっている。どうやら20世紀のロシアの作曲家の作品という可能性が高いらしい。どういう理由で前期バロックのカッチーニの作品として伝わったのかはわからないが、だからといって曲の価値が下がるわけでもあるまい。

尚子さんというと、やはりアルバム『All For You』の頃にいちばん思い入れがある。それこそもう10年近く前のことになるのか…。あの頃は月イチのペースでライヴに行っていた。最近は年イチくらいのペースに落ちてしまったが、それでも顔を見せれば喜んでくれるのが嬉しい。

いちばん思い入れのある曲は2ndアルバムのタイトルにもなっている『ピュア・モーメント』という尚子さんのオリジナル。綺麗なバラードである。
この曲がわれわれと関連付けられたのは、ライヴで何度かリクエストをしたからだろう。そのうち、この曲を演奏するときには「やるわよ」と言うように目配せをしてくれるようになった。たぬ〜の誕生日にたまたまライヴがあった日、ハッピーバースデーとこの曲をプレゼントしてくれるサプライズも。一昨年のSTBでは終演後「来るってわかっていたらやったのに。じゃあ次のSTBで」と言ってくれて、実際に半年後のSTBで演奏してくれた。開演前に事務所の社長が言うには「なんだか古い譜面を引っ張り出してたよ」とのこと。
ファン冥利に尽きる。

たぶん尚子さんのファンにはそうしたエピソードがひとつやふたつあるのではないかと思う。

今年はまだ聴きに行ってないな〜。
あのジェットコースターのようなライヴを経験してしまうとクセになる。
実際の尚子さんは小柄で華奢な人だ。あの小さな躰のどこにあれほどのパワーとパッションを隠しているのだろうかと思ってしまうほど。

早いとこどこかに聴きに行こう。できればホールよりもジャズクラブやライヴハウスがいいよなあ。。。
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