しばらくぶりの第4弾はちょっと強烈なものを。。。
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アナベル・リー Annabel Lee Cocktail
1gls ホワイト・ラム
2tsp ドライ・シェリー
4dsh アマレット
4dsh グラン・マルニエ
4dsh カンパリ
上記材料をステアしてカクテルグラスに注ぐ
補足説明をしておくと、glsはglassのことで、つまりグラス一杯ぶんということになる。dshはdashの略で、1dashは約1mlくらい。4dashesだと4mlくらいで、1tspが5mlだから、それよりも若干少ないという感じ。
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アルコール度数の高いカクテルである。マティーニよりも高い。ほとんどラムのストレートと言ってもいいくらいだ。透明感を強調するためにステアで作る。ちなみにステアというのは、ミキシング・グラスという大きなグラスの材料と氷を入れ、バースプーンで静かに混ぜるだけのことを言う。
タイトルはエドガー・アラン・ポーの詩から取られた。
『アナベル・リー』はポーの死後二日後に発表された。いわば遺作である。比較的平易な言葉で綴られていて、それゆえにあまりにも美しすぎる一篇である。と同時に切なく哀しい。韻の踏み方も抜群に美しい。
この詩は幼くしてポーに嫁ぎ、貧困の中で死んだ妻ヴァージニア・クレムのことを詠ったものだと伝えられている。
残酷な死を受け入れたゆえの諦観なのか、あるいは彼女の許に赴くことを悟ったゆえの安息なのか。彼は繰り返し彼女の名を詠う。最愛の妻の死後ポーの生活は荒む。そして妻の死の二年半後に過度の飲酒で彼も命を落とすのだ。
ヴァージニアが彼のもとに嫁いだとき、彼女はまだ十三歳だったという。亡くなったのは二四歳。胸を患い、長い闘病生活の果てだった。病院に入ることもできず、暖かなベッドで眠ることもできず、藁の布団に夫のコートを掛けて療養していたという。甲斐性のない夫を支え続けたヴァージニア、その思いはいかばかりか。そして彼女は死の直前にこのような言葉を遺したという。
私が死んだなら、あなたを守る天使になってあげる。あなたが悪いことをしそうになったら、その時は両手で頭を抱えるの。私が守ってあげるから…。
死を覚悟した中でのなんと痛切で美しい言葉であることか。
人が最後に遺す言葉は深くそして重い。
この悲しい詩の最後に「海ぎわの墓の中」というフレーズがある。そこでホワイト・ラムを使うことに決めた。コクを出すためにグラン・マルニエとアマレットを使った。両方とも僅か少量ではあるが、甘くしすぎないためにはこのくらいが適量だと思われる。ビターズの代わりとしてカンパリを使っているが、微かにピンクがかったオレンジ色の仕上がりにも一役買っている。ラム自体の柔らかさで、やや甘口に感じられる。そこで、酸味を加えるためにドライ・シェリーを加えてみた。少量でもなかなか効き目があるようだ。
ベースに使うラムのブランドでほとんど味が決まると言ってもいい。だから好みのブランドでどうぞ。
過ぎ去りし日々、かつての恋、そして今ここにいない人、思い出を偲ぶためのカクテル。それゆえ、強烈だがほんのり甘い。これ一杯で心地よく酔えるだろう
ヴァージニア・クレム(あるいはアナベル・リー)の生涯はあまりにも短く、あまりにも哀しい。けれども彼女がポーの才能を開花させたのだとしたら、彼女の生涯は不幸なばかりではなかったのかもしれない。
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