mixiユーザー(id:3696995)

2010年04月16日22:47

174 view

ハルトマン、現代音楽というにはあまりにも感動的

ハルトマン(1905〜1963)という作曲家をご存じだろうか。
カール・アマデウス・ハルトマン、モーツァルトと同じミドルネームこの作曲家はいわゆる現代音楽を書いた人なので、日本ではほとんど無名に近い。ミュンヘンを拠点に活動したのだが、反ナチの立場を貫き、戦時中は亡命こそしなかったものの、発表のあてのない作品を書き続けた。
その作品は最先端を行く前衛ではなかったものの、非常にエモーショナルなものが多い。
わかりにくい現代音楽ではない。いちばん近いのはバルトークのような気がする。

ポスト・マーラーというならこの人だろうと思う。
アダージョの偏愛、色彩的なオーケストレーション、悲劇的な曲調、などマーラーと相通じるものが多いのだ。代表作が8曲の交響曲というのも資格としては十分だ。さらに、一時期ヴェーベルンに師事したこともあって、そういう点ではマーラーの直系と言うこともできる。

かつてWergo(グラモフォンの現代音楽レーベル)からクーベリックが中心になった交響曲全集がLPで出ていた。これは素晴らしい盤だった。それまでFMでたまたま聴いた1番『レクイエムの試み』しか知らなかったのが、8曲全て聴けたのだから。しかも半分以上の曲をクーベリックが指揮している。
そして、今はインゴ・メッツマッハー&バンベルク響(1993〜96年録音、3枚組)が愛聴盤だ。同じ指揮者による初めての全集盤。というか、先述の盤以外にあるのか、という感じだ。
しかもこの盤、日本盤が出ていたのである(2000年リリース)。すぐに廃盤になってしまったようだが、レコード会社の英断には拍手を送りたい。はたして何セット売れたのだろうか…。

ハルトマンの交響曲は悲劇的な色調のものが多い。
8曲全て素晴らしい曲なのだが、アルト独唱付きの1番『レクイエムの試み』、弦楽オーケストラのための4番などは最もエモーショナルと言えるだろう。
戦争の犠牲者のために捧げたと思しき曲が多いのだ。
私のお気に入りは6番。マンドリンを加えた色彩的なオーケストレーションが素晴らしい。もちろんこの曲も劇的であり、基本は哀しみに彩られている。

確かにとっつきのいい音楽ではない。晦渋と言えなくもない。
しかし、そこには音楽の力を信じた作曲者の祈りがある。生と死の葛藤がある。
前衛のための前衛がいかに不毛であるか。そして、20世紀音楽のイディオムを使用しても感動的な音楽が作れるということを実感する。

さて、10月に新日本フィルがハルトマンの6番を演奏する。指揮はメッツマッハーだ。これは聴かずにはいられない。日本では滅多に実演に接することなどできないであろう。
ブラームスの『悲劇的序曲』に、メインはチャイコフスキーの『悲愴』というプログラム。つまり、悲劇的な曲ばかりを集めたということになる。
現代音楽を得意とするメッツマッハーが『悲愴』をどう料理するかという興味もあるが、やはりハルトマンだろう。手配が遅れたので、いい席ではないが、聴けるだけで満足だ。

これを機会にハルトマンがもっと聴かれるようになればいい。って無理かな。。。
0 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2010年04月>
日 月 火 水 木 金 土
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930