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2016年01月23日22:14

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ダウスゴー&新日本フィル@すみだトリフォニーホール

今日のコンサートには行けないと覚悟していた。
なのでチケットを持たずに病院に向かった。
ところが点滴が思いのほか早く終わり、調子が悪いながらも行けそうだということで、一度家に戻ってから会場に向かった。おそらく無理をしていたのだろうとは思うが。

というわけで向かったのは、すみだトリフォニーホール。

トーマス・ダウスゴー(指揮)&新日本フィルハーモニー交響楽団

01.シベリウス:4つの伝説曲(レンミンケイネン組曲) Op.22
<休憩>
02.ニールセン:交響曲 第5番 Op.50

日本列島が大寒波に襲われそうだというときに北欧の寒々とした音楽を聴こうという趣向。
大好きな曲が二曲。
どちらもコンサートのプログラムに乗ることはあまりない。ことにニールセンの5番は極めて珍しい。

トーマス・ダウスゴーはデンマークの指揮者。
日本ではあまり知られていないのだろうが、北欧音楽好きの間では知る人ぞ知る名指揮者との評判であろう。

シベリウスの4つの伝説曲は最初の交響曲に先立つ大曲。
英雄レンミンケイネンを描いた組曲としての体裁を取ってはいるが、標題を持った交響曲とも言えよう。
2曲目の『トゥオネラの白鳥』は単独曲としてシベリウスの代表作となっているが、全曲通して演奏される機会はそう多くない。
ロマン的に傾きがちではあるものの、すでにシベリウスらしい響きに溢れている。親しみやすいフレーズも多く、初期の傑作と言えよう。
ダウスゴーの音楽作りは思いのほか情熱的で、なかなかスリリングだ。金管を思い切り鳴らし、メリハリのある音楽を展開していく。微妙なニュアンスを聴かせる弦楽が見事。
『トゥオネラの白鳥』でイングリッシュ・ホルンを奏でていたのは新日本フィルの奏者である森明子。仄暗い音色で嘆くように歌う演奏だった。

しかし、より楽しみにしていたのは後半である。ニールセンの5番を実演で聴くのは初めてなのだ。コンサートのプログラムに乗るのは極めてまれであろう。
知名度では『不滅』の副題を持つ4番の方がはるかに勝るが、5番はおそらくニールセンの最高傑作だと思う。善悪の対立が明確な4番に対し、5番ではその境界が曖昧だ。より観念的というか抽象的になっていると言うべきだろうか。
すでに4番でソナタ形式と基本調を放棄しており、5番ではさらに自由な形式と響きを持つ2楽章でできている。
第1楽章ではスネア・ドラム(小太鼓)が大活躍する。
4番の終盤でのティンパニに匹敵するインパクトだ。打楽器の扱いが巧みなのもニールセンの特徴だ。
ダウスゴーはこの捉えどころの難しい曲をことさら簡単に聴かせようとはしない。細かいところまで響きを磨くことで曲そのものの素晴らしさを知らしめる。エキセントリックで個性的な管弦楽法の中で木管が一際美しく響くことを再認識させてくれた。クラリネットの首席重松希巳江が素晴らしい演奏を聴かせていた。
第1楽章自体が単一楽章のシンフォニーとさえ言える。第2楽章はそれ自体が古典的シンフォニーの4つの部分を含んでいる。2楽章構成というよりは、ふたつのシンフォニーが並んでいると言った方がいいような曲ではなかろうか。今日の演奏を聴いてさらに謎は深まった。

シベリウスとニールセン、フィンランドとデンマークの作曲家は同年生まれである。
そしてどちらも20世紀を代表するシンフォニストである。
ニールセンの音楽はもっと聴かれるべきだと思う。

なにはともあれ、ニールセンの5番を聴けただけでも十分に価値のあるコンサートだった。
ダウスゴーもタダモノではない。
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