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2013年06月15日22:13

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昭和を伝えるものがまたひとつ消えていく

蒸し暑い中、久し振りに銀座に出掛けた。
松坂屋の在る一角が再開発される事に決まり、松坂屋は今月一杯で閉店。其れに伴い、其の周辺も店を畳む処が増えて来た。
松坂屋の裏手に在る第二蒲田ビルも再開発地域に入って居るので、此処も取り壊される事に決まっている。
少々調べてみると、昭和29年に建てられたらしい。西暦にすると1954年だから、築59年という事になる。古いビルである。
江戸川乱歩の小説にでも出て来そうなビルだと思っていたのだが、強ち見当外れとは云えない様だ。銀座も大通りの裏手に出ると静かなものだが、そこから長い事銀座の変遷を見て来たビルと言えよう。この時期に再開発の話が無かったにしても、然程遠くない内に取り壊される運命では在ったろう。とは言え、矢張り淋しいことではある。
古き佳き昭和を伝える物が又一つ無くなって行って仕舞うのだ。
(写真左はビルの看板)

第二蒲田ビルと云うと、あのヴァニラ画廊が入っているビルである。
エロティシズムとフェティシズムに特化し、アンダーグラウンドの聖域の様なこの画廊が入るのに見事な程相応しいビルであった。
画廊に入る以前に、ビルに入る時から何処か異空間に赴く様な不思議な感覚を抱いたものである。
(写真中央はヴァニラ画廊の入口)

私がヴァニラ画廊を初めて訪れたのは2009年の事であるから、第二蒲田ビルを知ってから未だ4年しか経っていないと云う事になる。年老いた晩年しか知らぬと云う事だ。

少女主義的水彩画家たま女史の個展が切っ掛けだった訳だが、其れ以来興味のある展示の時には度々訪れる様にしている。今日が此処での通常展示の最終日。
昨年のヴァニラ画廊大賞で入選した中田柾志氏の個展である。フランスはブローニュの森に夜毎現れる娼婦を写している。中には元は男性と思しき者も居る。というか、そういう人の方が多い様だ。長閑なブローニュの森が夜には其の表情を変える。一角ではあるのだろうが、現代社会の闇の部分と言えるのかも知れぬ。ただ被写体となった彼女らに悲壮感は無い。享楽的と云うよりは楽天的な雰囲気が漂う。
先日訪れた際にディレクターよりラフプリントを見せて貰い興味を持ったのだ。

月末には特別企画が予定されているのだが、我々が此処を訪れるのはこれが最後となろう。
短い間ではあったが、心地良い画廊の雰囲気を記憶に留めておく。そして、昭和の名残を伝える第二蒲田ビルの姿を瞼に焼き付けておく。

さて、第二蒲田ビルは無くなってもヴァニラ画廊は無くならない。
既に新画廊がオープンしている。旧画廊に別れを告げ、其の足で新画廊に向かう。
更に新橋寄り、旧画廊からは歩いて5分程であろうか。
此処も相当古いビルだと思ったら、昭和36年(1961年)に建てられたそうなので、築52年ということになる。
(写真右はB2の画廊に降りて行く階段に飾られた山下昇平氏の作品)

現在、クロダミサトという写真家の個展が開かれている。「沙和子 無償の愛」と題されていて、その沙和子と思われる女性をモデルに写している。
展示室は白塗りの壁で天井が高い。旧画廊よりも展示スペースが少し広く成っただろうか。

旧ヴァニラ画廊から新ヴァニラ画廊へ。これからも刺激的な企画で楽しませて呉れる事であろう。

左様なら、第二蒲田ビル。

という訳で、今日は昭和っぽく少々文体を替え、漢字を増やしてみた。
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