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2012年10月02日23:34

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せんくら2012、3日目

せんくら三日目。
最終日というのはどこか淋しい。

荷造りをしてチェックアウトを終え、仙台駅に向かう。
お土産を買って、新幹線の手配をして、車中で食べられるように牛タン弁当を予約。荷物をロッカーに入れて、準備万端。最初の会場に向かう。

心配なのは台風17号の動向。
台風に向かって帰るようだな、と不安が募る。


【イリーナ・メジューエワ@太白区文化センター楽楽楽ホール】

 〜 ショパンのサロン�后�24の前奏曲 〜

イリーナ・メジューエワ:ピアノ

01.ショパン:24の前奏曲 作品28
<アンコール>
02.ショパン:夜想曲 第5番 嬰ヘ長調 作品15-2

かつてはどちらかというと苦手だった24の前奏曲だが、すっかり大好きな曲になってしまった。
なのでこれは聴かないわけにはいかない。しかもロシア生まれの大和撫子メジューエワ。
そのため、泣く泣く川久保賜紀&三浦友理枝のグリーグを諦めた…。これがフェスのつらいところだ。
さすがメジューエワ。独自の解釈で聴かせる草書体の前奏曲。メジューエワらしく大胆に曲を動かした演奏だと言えよう。繊細さとおおらかさを兼ね備えている。アゴーギクもルバートも効かせているのだが、決して恣意的な感じはしない。ときにゴツゴツとした質感も意図的なのだろう。
個性的な演奏だ。しかし、これが私のショパンという明確な主張がある。

私はメジューエワの演奏はスタンダードではないと思っている。
出すCDのほとんどがレコード芸術誌の特選盤になっているので、スタンダードなように思われがちだが、メジューエワの演奏は彼女の主張が出た個性的な演奏だと思う。
私は素晴らしいと思うし、大好きなピアニストだが、そう思わない人も少なくないはずだ。少なくとも万人に受ける演奏ではない。
それでいいと思う。


【三浦友理枝@青年文化センター・パフォーマンス広場】

 〜 生誕150年 フランス印象派の巨人 音色の魔術師ドビュッシー 〜

三浦友理枝:ピアノ

01.ドビュッシー:前奏曲集第1巻より、第8曲『亜麻色の髪の乙女』
02.ドビュッシー:『子供の領分』より、第6曲『ゴリーウォーグのケークウォーク』
03.ドビュッシー:2つのアラベスク 第1番 ホ長調
04.ドビュッシー:2つのアラベスク 第2番 ト長調
05.ドビュッシー:ベルガマスク組曲(前奏曲/メヌエット/月の光/パスピエ)
06.ドビュッシー:喜びの島
<アンコール>
07.ドビュッシー:前奏曲集第1巻より、第12曲『ミンストレル』

会場に着くのが遅れたので、ステージ向かって左端を確保。ほとんど背中から見るような感じ。その代わり、手元はよく見える。
小学生くらいの子が多かったが、かなり静かだった。みんなピアノを習っているのかな。

オール・ドビュッシー。上手いな。
今年は生誕150年なのだから、アルバムを作ってくれればいいのにと思う。
できれば前奏曲集全曲のようにまとまったもの。

ベルガマスク組曲の『パスピエ』が良かったなあ。もちろん、彼女らしい冴え冴えとした『月の光』もいい。
しかし、今回の白眉は『喜びの島』。これは名演だった。正確な三拍子のリズムをキープし、なおかつノリのいい、敢えて言うならグルーヴ感のある演奏だった。
アンコールの『ミンストレル』も最高!

終演後、まず「どこにいらっしゃいました?」と訊ねられた。場所を説明すると、「ああ、そこは死角でした」と言っていた。もしかして「あれ、いない?」って思ったのかな。
『喜びの島』のことを伝えると、最近ではいちばん上手く弾けたとのこと。やはり会心の出来だったようだ。

その後、台風の話題になる。
次のサイン会が控えてなかったこともあって、長話になってしまった。
スタッフも「東京に帰るんだ。大変だなあ」というような暖かな目で見てくれていた。


【川久保賜紀、遠藤真理&三浦友理枝@青年文化センター・コンサートホール】

 〜 ついに実現!名作『偉大な芸術家の思い出』 〜

さて、われわれにとっての最後の公演は例のトリオである。
これまで個別に聴いてきたが、いよいよ三人の揃い踏みだ。
ちなみに、裏は高木綾子女史の無伴奏リサイタル。これにも後ろ髪を引かれる思い。。。

川久保賜紀:ヴァイオリン
遠藤真理:チェロ
三浦友理枝:ピアノ

01.チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 『偉大な芸術家の思い出』
<アンコール>
02.リムスキー=コルサコフ(編曲:加藤昌則):熊蜂の飛行
   (または自分を「熊蜂」だと思い込んでいる悲しき蝿の悲しき運命)

チャイコフスキーの大作。2月のオペラシティ以来の再演だそうだ。
ピアノ・コンチェルトより難しいピアノ・トリオ。ピアニスト泣かせであると同時に腕の見せどころでもある。しかし、友理枝ちゃんはこの日すでに2公演を消化。体力的にも厳しかろう。

三人がステージに揃うと圧巻だ。見映えがいい。それぞれヴィジュアル的に華があるからステージ映えする。しかも実力者だからね。ワクワクしてくる。

長丁場の50分、一気に弾ききったという感じだ。明らかに2月のときよりもグレードが上がっている。聴衆もみんな聴き入っているという雰囲気だったし、演奏を終えた後は割れんばかりの拍手。みんな魅了されたんだな、と感慨深いものがある。
賜紀ちゃんの繊細なヴァイオリン、真理ちゃんのよく歌うチェロ、友理枝ちゃんの力強いピアノ、どれを取っても素晴らしく、それがアンサンブルになるとさらに輝きを増す。ことに疲れを感じさせない友理枝ちゃんの力演は凄まじいものがあった。

そして、アンコール。
まさか彼女たちが笑いを誘うような演奏&パフォーマンスを行なうとは…。
演奏途中で眠ってしまった真理ちゃんを賜紀ちゃんが弓でつついて起こす。熊蜂(実は蝿)を追いかける真理ちゃんを、友理枝ちゃんがいかにもイヤそうにしっしっと追い払う。そして、両手をパチンとやった真理ちゃん。ああ、潰しちゃったんだね。ダメだよドレスで拭いちゃ。
で、最後はピアノ和音ともにみんなで合掌。
大爆笑のアンコールだった。

ちなみに、譜めくりはせんくらコミュの管理人さん。最後の合掌も含めて、お疲れさまでした。

終演後のサイン会は長い列。
で、新幹線が運休になったことを彼女たちが教えてくれた。


というわけで、その後のことは昨日の日記に書いたとおり。

ま、そんなハプニングも含めて楽しかった。

例年に比べ完売公演が少なかったのが気になるが、動員数は一昨年と比べても遜色ない。
完売にならなかった公演でも入りは悪くなかったので、散らばったのかもしれない。
国内一線級の演奏家を間近で聴ける、しかもハシゴも可能というのはとてもいい。今回選ぶことはできなかったが、聴きたかった公演はたくさんある。取捨に悩むというのはそれだけ充実しているということだろう。
あとは空き時間を退屈させないような企画があると良いかなと思う。まあ、のんびりゆったりしたところがせんくらならではなのかもしれない。LFJのような賑やかさは必要ないのかも。せんくらはせんくららしく発展と継続をしていってもらえればいいのだろう。

仙台在住のマイミクさんご夫妻とはせんくらを通じて知り合った。
今回は東京からマイミクさんも初の参戦を果たした。
こういうつながりも楽しい。

ありがとう仙台。
では、また来年。
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