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2012年06月13日23:28

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高木綾子、南紫音&曽根麻矢子@紀尾井ホール

気持ちの切替は早い方だと思うのだが、モイツァ・エルトマンのリサイタルが尾を引いている。それだけ強烈だったということだろう。
そうは言っても時は巡っていく。

「世界の音楽シーンをリードするビルボードが選出した、世界のクラシック音楽に輝く精鋭たちによる珠玉の演奏会シリーズ」と銘打たれたビルボード・ヴィーナス・クラシックス。
お題目はともかく、なかなかの好企画と思う。

今回はなんともユニークな組み合わせ。場所は紀尾井ホール。

高木綾子:フルート
南紫音:ヴァイオリン
曽根麻矢子:チェンバロ

三人で何をやるのか?

01.エルガー:愛の挨拶(vn、cem)
02.C.P.E.バッハ:フルート・ソナタ ト短調 Wq133,H564 『ハンブルク・ソナタ』(fl、cem)
03.ロワイエ:スキタイ人のマーチ(cem)
04.マレ:ラ・フォリア(fl)
05.イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番(vn)
<休憩>
06.ソレル:ファンダンゴ(cem)
07.ドビュッシー:シリンクス(fl)
08.フェルー:3つの小品より、『恋する羊飼い』『端陽(トアン・ヤン)』(fl)
09.パガニーニ:24のカプリス 第24番イ短調(vn、fl)
10.J.S.バッハ:トリオ・ソナタ ト長調 BWV1039(vn、fl、cem)
<アンコール>
11.バッハ/グノー:アヴェ・マリア(vn、fl、cem)

ソロあり、デュオあり、トリオあり。
なかなか楽しいコンサートだった。
入れ替わり立ち替わり、まるで豪華なオードブルがたくさん並んだような感じだ。
みんな馴染みの演奏家なので安心して聴いていられる。

フェミニンなドレス姿の二人に対し、曽根さんはボーイッシュな格好。それがまた似合うんだよね。カッコいいよ。

チェンバロ伴奏による『愛の挨拶』なんてめったに聴けることはないだろう。

みんなソロの曲に気合いの入った選曲をしてきたな。

マラン・マレの『ラ・フォリア』(スペインのフォリアとも言われる)は2002年5月、全曲無伴奏で挑んだオペラシティの「B→C」で聴いた。もう10年前になるのか。
相変わらず太く深い響きのフルートだが、その音色にまろやかさが増しているように感じた。
ブレスのタイミングも含めて完璧なアーティキュレーション。さすがの名演。もはや貫禄すら感じる。
15世紀末のイベリア半島が起源とされるフォリアの主題による変奏曲。この主題を聴いたことのある人は多いことだろう。マレはフルートを想定して作曲したわけではないが(原曲はガンバ)、フルートで演奏されることも多い。無伴奏用の重要なレパートリーとなっている名曲だ。

イザイは昨年8月のフィリア・ホールでのイザイのソナタ全曲演奏会で聴いた。5番はこのときが彼女にとって初演だったはず。
彼女の音は繊細で凛としている。とてもしなやかで清潔感のある音だ。
イザイの無伴奏ソナタの中では地味な存在と思う5番を選んできた。聴かせどころが難しいのではないかと思う。まず弱音の美しさで惹き付ける。その時点で彼女の勝ち。

ソレルの『ファンダンゴ』はこの曲の収録されたアルバム『ラティーナ』のレコ発イベントにて、2002年10月のタワレコ渋谷で聴いた。
この『ファンダンゴ』はえらくカッコいい曲だ。ソレルの真作であることを疑問視する向きもあるようだが、そんなことはよくわからない。というか、どうでもいい。
全編速いパッセージの応酬。難しい曲なんだろうなと思う。手元を見ていたらとてつもなく忙しそうな曲だった。曽根さんはなんでもないような顔をして難しい曲を弾いちゃうんだよね。息を飲むほどの迫力。もはやベテランの領域に入りつつあるのかもしれないが、その演奏はとんがっていて刺激的だ。
やっぱり曽根さんはすごいね。

この3曲のインパクトが強烈だったな。

最後のバッハのトリオ・ソナタは本編では唯一のトリオによる曲。
三者三様の個性がバランスよく発揮されたいい演奏だったと思うが、メインにしてはガッツリ感に欠けるかな。紫音ちゃんはちょっと遠慮気味だったかも?

アンコールが思いのほか良かった。
チェンバロがプレリュードを延々弾き続け、メロディーをヴァイオリンとフルートが細かなフレーズで分け合う。点描とまでは言わないが、色彩感のある演奏だった。
美味しいデザートを食べたという感じ。

一回限りではもったいないな。
次回があることを期待しよう。

サイン会では曽根さんに「いつもありがとうございます」って言われてしまった。
そりゃそうか。バッハ連続演奏会に皆勤した印象は強いのかもしれないな。

さて、これでコンサートは少しお休み。
7月8月はほとんど予定が入っていないのだ。もっとも、ライヴや諸々は予定があるし、これから入ってくるかもしれない。とりあえず、ホールでのクラシックのコンサートはちょっとお休み。
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