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2011年12月15日22:26

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みんな邪魔

一昨日イヤミスのことについて書いた。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1804010959&owner_id=3696995

そのとき真梨幸子の『みんな邪魔』を読んでいると書いたが、昨日読了した。
これは素晴らしい。『殺人鬼フジコの衝動』すら凌駕するかもしれない。
かつて一世を風靡した少女マンガ『青い瞳のジャンヌ』ファンサイトの幹事6人を中心にした連作小説という体裁を取っている。30代のひとりを除いて、中高年のオバサンである。
イヤさ加減もそうなのだが、何より唖然とするような仕掛けがすごい。
最初に違和感を覚えるのだが、まんまと作者のミスリーディングに乗せられてしまうという寸法だ。

ミステリーというのはおもしろいもので、なんとか謎を解いてやろうと注意深く読んでいくものだが、途中で作者の仕掛けに気付いてしまい、それが当たっていたりすると、ガッカリしてしまう。騙されれば騙されるほど気持ちいいのだ。してやられた、という感覚が強ければ強いほど名作と言えるのだ。

読者を誤った方向に導くことを「赤い鰊(ニシン)」、英語でレッド・へリング(Red Herring)という。
赤い鰊とは燻製の鰊のことである。
語源はいろいろ説があるらしい。警察犬の追及を逃れるために強烈な匂いのする燻製の鰊を使ったというあたりが近いような気がする。
ミステリーを読み慣れていると、何が赤い鰊なのか判ってしまうことが少なくない。
判ってしまったら赤い鰊としては失敗である。

評判のミステリーでも意外に赤い鰊として成立していないものもある。伏線が伏線と判ってしまうというのは興醒めである。着想の奇抜さだけではミステリーとは言えまい。
丁寧に張り巡らされた伏線と巧みなミスリーディング、それを見抜きつつ読みながらも、最後にやられたと思わせてくれるのが優れたミステリーである。あそこに気付いていればよかったのか、なんか引っかかったんだよな、と悔しがらせるのが正しいありかた。

というわけで、この『みんな邪魔』は大満足のミステリーだった。
真梨幸子、これから注目していきたい。
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