mixiユーザー(id:3696995)

2011年09月10日23:21

281 view

上野由恵@上野の森美術館

今日は蒸し暑かったね。
疲れているせいもあってか、結構こたえた。。。

さて、今日は新進のフルーティスト上野由恵嬢のリサイタル。

「フルート音楽日誌」と題したリサイタルで今年で4回目になるのだそうだ。
場所は上野の森美術館。上野の上野の森美術館で上野さんがフルートを吹くという企画。
展示室を使って、絵に囲まれてのリサイタル。もっとも、今日の展示は音楽とはミスマッチだったが…。

今回のテーマは「故郷を愛した作曲家たち」ということで、哀愁のメロディーを擁する曲がズラリと並んだ。
ピアノは圓井晶子(つむらい・あきこ)さん。高校からの同窓なのだそうだ。

01.ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番より、アリア
02.ドヴォルザーク:ユーモレスク
03.ドヴォルザーク:わが母の教え給いし歌
04.ポルムベスク:望郷のバラード
05.バルトーク:ハンガリー農民組曲より
<休憩>
06.武満徹:巡り 〜イサム・ノグチの追憶に〜 (フルート・ソロ)
07.山田耕筰:赤とんぼ
08.山田耕筰:中国地方の子守唄
09.ドップラー:ハンガリー田園幻想曲
<アンコール>
10.フォスター:おお、スザンナ

ヴィラ=ロボスもドヴォルザークも中音が綺麗に響く。だからこそきらびやかな高音が引き立つ。
『わが母の教え給いし歌』のメロディーは本当に胸に沁みる。

『望郷のバラード』はもともとはヴァイオリン曲なのだそうだ。ポルムベスクは29歳という若さで夭折したルーマニアの作曲家。哀愁のメロディーが紡がれる人気曲なのだそうだが、さすがにこれだけの曲の中に入るとちょっと弱い気がする。
バルトークはやっぱりいいね!

『赤とんぼ』も『中国地方の子守唄』もメロディーの歌わせ方が上手い。ここでも中音域が美しい。
メインとも言えるドップラーはさすがだ。しかし、この曲はとても日本的なような気がする。何故か思い浮かぶ昭和の田園風景。
この曲はそこそこフルートの吹ける人はみんな練習するよね。かくいうワタクシも…。

余談だが、横溝正史が『悪魔が来りて笛を吹く』のアイデアを得たのがこの曲だったという。
近所に住む、後にN響のフルート奏者となる植村泰一少年がこの曲を練習しているのを聴いたのがきっかけだったそうだ。

ところで実はピアノとは微妙に噛み合っていないような気がした。
それにベビー・グランドということを差し引いても、鳴りがよくないように思えた。

というわけで、今日の最高の名演はソロでの武満の『巡り』だったと思う。
彫刻家イサム・ノグチの追悼のために作られた曲らしい。香川県生まれの上野由恵嬢の実家の近くに彼のアトリエがあったのだという。子ども時代はそこが遊び場だったらしい。そんな思い出にちなんだ選曲。
私は武満のファンであるし、特にフルート曲は素晴らしいと思うのだが、この曲は知らなかった。
素晴らしい曲だ。現代的な響きの曲なのだが聴きやすい。武満らしい侘び寂びの表現が秀逸。
彼女の技巧は完璧。こうやって聴いてみると、武満とイサン・ユンはエモーショナルという点で共通しているなと思う。彼女のフラッター・タンギングは美しい。確信に満ちた演奏だったように思う。ともすれば、焦点の絞れない名曲集になってしまいそうな危険があるが、この曲によって硬派で引き締まったプログラムになったと思う。

フルートはムラマツの18K、H足部付きの、リング・キー仕様。
柔らかで暖かみのある音が心地いい。
1 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2011年09月>
日 月 火 水 木 金 土
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930