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2010年10月05日22:19

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せんくら2010、その2

10月2日(土)、せんくら2日目。この日は4公演を予定。

【曽根麻矢子@仙台市青年文化センター パフォーマンス広場】

朝一のコンサート。演奏する方は大変だと思いつつ、自由席なので早めに会場に向かう。チェンバロはできるだけ前の方がいい。向かって左側、手元が見えるところならばなおよろし。
曽根さんはせんくら初登場。われわれとしてもバッハ連続演奏会以来だから、およそ1年半ぶりくらいになる。
プログラムは以下の通り。

01.ヘンデル:チェンバロ組曲第1巻第1番
02.バッハ:前奏曲第21番(平均律より)
03.マルシャン:シャコンヌ
04.ラモー:未開人たち
05.ラモー:ジプシー風
06.ロワイエ:アルマンド
07.ロワイエ:スキタイ人の行進曲
<アンコール>
08.バッハ:前奏曲第1番(平均律より)
09.クープラン:神秘な障壁
10.ラモー:ラ・ドーフィーヌ
11.スカルラッティ(曽根麻矢子編):ファンダンゴ

昨晩のコンサートで喋りすぎて時間をオーバーしたらしく、この日はチェンバロの説明を簡単にしただけで、演奏を続けた。そのせいもあってか、時間に余裕ができて、なんとアンコール4曲という大盤振る舞い。
本編含めて知らない曲が多い。ラモーの曲あたりは聴いたことがあるような気もするが、記憶にない。マルシャンの『シャコンヌ』はいい曲だった。『スキタイ人の行進曲』も楽しい。曽根さんの演奏も自由闊達。朝一という条件的には厳しい状況ながら、指の乱れは一切感じさせない。さすがだな。チェンバロの音はえてして乾いた音に聴こえてしまうのだが、曽根さんの音には潤いがある。
ちなみに使用チェンバロは宮城県在住の制作家が作ったものなのだそうだ。軽めのいい音だ。フレンチタイプなのだろうか。
アンコールのバッハのプレリュードはお約束として、最後のファンダンゴが最高だった。昨晩では本編に組み込まれていたようだが、これが聴けたのは嬉しい。スカルラッティの原曲を曽根さんがアレンジしたもので、エキサイティングな超絶技巧の曲に仕上がっている。スパニッシュ・テイストで盛り上がる。
しかし、曽根さんは颯爽としていてカッコいいな。

終演後のサイン会で、挨拶に出向くと、期待通り驚いてくれた。
「あれ、東京、バッハのとき、ですよね!」といった感じ。
幸先のいいスタートを切ったぞ、と。

ゆっくり昼食を摂るために、次までは余裕をもって予定を組んでいた。同じ場所なので異動の必要はないのだが、地下鉄に乗って勾当台公園駅まで行き、定禅寺通りを歩く。この通りは広くて街路樹がたくさんあって、中央分離帯すら広場のようになっていて、杜の都を象徴する通りなのだろうと思う。歩いていて気分がいい。東京では見ることのできない通りだ。
お目当ては昨年行った「Kakiya」という牡蠣専門店。カウンター数席しかない店だが、ここのランチが良いのだ。
甘辛に煮た牡蠣がふんだんに乗ったカキ丼に、牡蠣のマリネ、メカブのお吸い物、それに大きな生牡蠣が付く。それに牡蠣フライを追加する。
至福のとき〜。
そういえば、焼酎のボトルに混じってシングル・モルトの名品タリスカーのボトルがあった。スコットランド北方のスカイ島で作られている名酒。ジョニー・ウォーカーの重要な原酒のひとつである。
なんでこんな話をしているかというと、牡蠣にいちばん合う洋酒はスモーキーなシングル・モルトではないかと確信しているからだ。アイラ島で作られているものはもちろん、タリスカーも合うだろうと思う。島で作られているウィスキーはどことなく潮の香りがするものが多いからだ。
この店はよくわかっている。
食べている途中で気付いたので今回はできなかったが、次回は是非試してみたいと思う。
余談はこのくらいにして、満腹になったところで、青年文化センターに向かう。

【三浦友理枝@仙台市青年文化センター 交流ホール】

昨日に続き友理枝嬢のピアノを聴く。ショパンの24の前奏曲の前半がメイン。
プログラムは以下の通り。

01.ドビュッシー:月の光
02.ラヴェル:ボロディン風に
03.ラヴェル:シャブリエ風に
04.ラヴェル:水の戯れ
05.メシアン:鳩、軽やかな数(前奏曲集から)
06.ショパン:24の前奏曲 前半(1〜12番)
<アンコール>
07.ショパン:小犬のワルツ

ショパンが生涯の半分近くを過ごしたフランスに注目したプログラム。ドビュッシーとラヴェルはいいとしても、ここでメシアンをやるか、と思う。まあ、そこが彼女らしいと言えるのだろうが…。メシアン初期の作品ゆえ、聴きやすいとは言えるが、聴衆は戸惑っていたような感じだ。
『月の光』は冴え冴えとした空気感を捉えた好演。
『水の戯れ』は自家薬籠中の名演。彼女の美音が存分に生きる曲だ。
で、ショパンのプレリュードだが、やはり後半がないと中途半端な感は否めない。昨日の後半だけよりも違和感がある。ここでは迫力あるドラスティックな演奏というよりも、抒情的表現を心がけた演奏に聴こえた。
まあ、細かいことは言うまい。

サイン会で「では、後ほど」と挨拶して、会場内をふらふらしてから出ると、外でタクシー待ちの友理枝嬢を見かけた。移動も大変だなと思う。
ピアニストは楽器を持ち歩かなくていい代わりに、会場のピアノに慣れなければならない。短いリハーサルの時間しかないのだから、過酷だと思う。今回のせんくらで友理枝嬢は5つの会場でピアノを弾く。つまり5台のピアノを弾きこなさなければならないということだから、これは大変なことだ。
なんてことを思いつつ、こちらはのんびり地下鉄で移動。

【川久保賜紀・三浦友理枝@太白区文化センター 楽楽楽ホール】

楽楽楽ホールは、らららホールと読む。
今のところせんくら限定のデュオ。(トリオのコンサートで1〜2曲デュオということはあったが…)
プログラムは以下の通り。

01.ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番『雨の歌』
02.バルトーク:ルーマニア民族舞曲
03.ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
<アンコール>
04.クライスラー:美しきロスマリン

一聴して驚いたのは賜紀嬢の音だ。なんとも艶やかで美しい。
それまでは線の細さを感じてしまうことがなくはなかったのだが、このときは繊細ではあるもののボディのしっかりした音で鳴っていた。今までだって十分素晴らしかったのだが、さらにいいぞ。
引き締まったいい演奏だった。友理枝嬢も好サポート。元来自己主張の強いピアノなのだが、室内楽もきっちりこなす。少し前まではショパンかフランス近代というイメージが強かったのだが、独墺系も上手い。
バルトークになると友理枝嬢の強靭なピアノがさらに生きる。賜紀嬢のフラジョレットが美しい。
アンコールの『美しきロスマリン』のような小品もチャーミングに弾くのも賜紀嬢の魅力だ。

終演後、賜紀嬢の最新アルバム『四季』にサインをいただく。
「あ、どこかで…」と言う賜紀嬢に、隣の友理枝嬢が「どこかで、どころじゃくて、いつも来てくれてるの」というふうにフォローしていた。いや、友理枝ちゃん、賜紀ちゃんは間違っちゃいない。。。
昨年のせんくら以来、賜紀嬢に会ったのは7月のトリオのみだ。見たことがある、という認識だけで十分だ。
まあ、同じく昨年のせんくら以来だった真理嬢は7月の時点ですでに覚えていてくれたぞ、というツッコミはしないでおこう。
「では、明日トリオで」と会場を後にした。
次まで時間の余裕があまりないのだ。

【山下一史&仙台フィル@イズミティ21 大ホール】

地下鉄でほぼ端から端までの移動。開場間もなくの時間に到着。意外に余裕があった。いちばん遠くても30分程度の移動で済むわけだ。
このコンサートは前日に手配した。よって席は後の方。
地元に敬意を表して、仙台フィルを聴くことにしたわけだが、これがなかなか良かった。
プログラムは以下の通り。

01.ワーグナー:歌劇『ローエングリン』第3幕への前奏曲
02.ワーグナー:歌劇『タンホイザー』序曲
03.マーラー:アダージェット(交響曲第5番 第4楽章)
04.ワーグナー:楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』前奏曲

最近はオーケストラをあまり聴かなくなってしまったが、やはり大編成というのもいいものだ。
仙台フィルの実力はかなりのものと見た。特に弦が良い。惜しいのは金管か。ことにワーグナーでは金管が活躍するので粗が目立ちやすい。金管セクションはどこのオーケストラでもアキレス腱になりやすい。つまり、ここが充実するとぐんとレベルアップするということだ。
その代わりというか、弦はレベルが高い。ソノリティも統一感があるし、音色が柔らかだ。
コンサート・ミストレスとして、デュオ・プリマというヴァイオリン・デュオで活動していた神谷未穂嬢を招いた効果というのがあるのだろうか。綺麗なコンミスだなあ、と思っていたら、彼女だと知って驚いた。ソロ・パートでの彼女のヴァイオリンもとてもよかった。なんだかとても得した気分。
というわけで、マーラーはかなり良かった。咽び泣くような耽美的な演奏ではなかったが、清潔感のある好ましいものだった。ことに中間部の『亡き子をしのぶ歌』のメロディーの出てくるあたりの歌い回しが上手い。
もちろん、ワーグナーの出来も決して悪いものではなく、十分に楽しめた。マイスタージンガーは祝祭的な気分を盛り上げるのに相応しかったと思う。

この後は仙台在住のマイミクさんと食事。
事前に夫婦者同士、食事でもしましょうか、という話になっていた。ただ、お会いするのは今回が初めて。店の手配もお願いしてしまい、なにからなにまでお世話になってしまった。
ホールから程近い居酒屋。というのはもったいないくらい高級感のある店だった。個室に通され、時間を忘れて話し込んでしまった。クラシックに限らず音楽や美味いものの話で話題が尽きない。こういう出会いも何かの縁、大事にしていきたいものだ。
料理はどれも美味しかった。特に刺身。どうせだから石巻で水揚げされたものを頼んだ。東京が敵わないのがやはり魚介類だ。堪能した。三元豚も太いアスパラも美味だった。
日本酒をいただいたのだが、銘柄を覚えていない。。。

というわけで、濃密な2日目終了。
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