またも会期ギリギリ、Bunkamuraで開催中の「語りかける風景」と題された展覧会に行ってきた。ここは金曜の夜に行くのが恒例になってしまった。
夜は空いていてゆっくり観られるのだが、会期末ということもあってか、雨だというのに結構混んでいた。
タイトルどおり風景画が多い。
風景画は嫌いではないが、特別好きだというものでもない。「綺麗だな」「技術的にすごいよね」で終わってしまうのだ。正直なところ印象派の風景画にもさほど思い入れはない。
風景画や風俗画や肖像画はどちらかというとあまり得意な分野ではないのだと思う。
とはいえ、見ること自体は嫌いではない。
昔からコローの風景画は好きだし、シニャックの点描の風景画は別物という気もする。
結局は「好きなものもあるし、そうでないものもある」ということで、それでいいのだろう。
数点でも気に入ったものがあれば、楽しめたと言っていいと思う。極端なことを言えば、1点でも気に入ったものと出会えれば行った意味があるというものだ。
そういう点では十分に楽しめた。
今回の目玉はギュスターヴ・ブリオン『女性とバラの木』ではないだろうか(写真左)。これは素晴らしい作品だ。バラの木の手入れをする若い女性を描いたものだが、目映い陽の光に照らし出されるように描かれた女性が見事だ。構図も上手いし、遠目に見るとまるで写真であるかのように思える。日常の光景を鮮やかに切り取った作品だ。
優れた風景画にはストーリーが見えてくる、そんな絵だと思う。
たぬ〜が気に入ったのはモーリス・エリオの『年老いた人々』(写真中央)。
地に足の付いた生き方をした老夫婦なのだろう。古き良き時代を思わせる。孫娘と思しき女の子の後ろ姿が鮮烈な印象を残す。その子の存在が時代は巡っていくということの象徴になっているようだ。
個人的に好きなのはデュフィ。『3つの積み藁のある風景』(写真右)はまさにデュフィならではの作品。デュフィの絵はカンヴァスに描かれた素材がまるで踊っているかのようだ。
Bunkamuraはいつもなかなかおもしろい企画をしてくれる。
次回は「ブリューゲル版画の世界」ということで、摩訶不思議な世界に誘ってもらえそうだ。
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