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2010年06月17日22:57

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メジューエワのベートーヴェン

ちょっと前の話になるが…。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタが聴きたくなった。どうせだからメジューエワのCDでも買うか、とショップに出かけた。聴きたかったのは『月光』『テンペスト』『告別』で、見てみたら全部異なるCDに収録されているではないか。
え〜い、めんどくせえ、とメジューエワのベートーヴェンを全部買ってきてしまった。。。

メジューエワのベートーヴェンは今年めでたく全集が完成した。1巻2枚組で全部で5巻。よって枚数にすると10枚。収録は番号順ではない。
いずれも世評の高い盤だ。『ワルトシュタイン』を聴く必要があったので、2巻だけはすでに持っていた。確かにいい演奏だと感じたし、好きなピアニストなので、いずれは揃えるかと思っていはいたのだが…。
ピアノ・ソナタの全曲なんて、LP時代に中古で買ったバックハウス盤以来だろう。ドイツ正統派と思しき堂々たる威容のバックハウスに比べ、メジューエワのなんとしなやかなことか。女流だからというだけでなく、巨匠時代からの演奏スタイルの変遷を感じる。
どちらが優れているかということではない。

イリーナ・メジューエワという人はお人形さんのような愛らしいルックスをしていながら、実に雄弁にピアノを鳴らす。音の輪郭線が明確で、低音も強いが濁らない。綺麗な音でピアノを弾く人だ。実際にはヒョロッと背の高い人なのだが、儚げでおっとりした印象は変わらない。日本人よりも大和撫子っぽい雰囲気。
デビュー当時は綺麗だが力強さに欠ける演奏だったと思うが、ここ数年の充実ぶりは素晴らしい。ひ弱な感じが陰を潜め、繊細で抒情的だが凛としたたたずまいを持った演奏になっている。大胆なアゴーギクも厭いはしないが、決して恣意的ではない。音楽の流れからいえば、極めて自然である。大胆な解釈や超絶技巧で唸らせるというタイプではないが、しっかりと奏者の個性は感じられる。

せんくらでは彼女の弾く『テンペスト』を聴く予定。

このCD、ジャケットには瀧口修造の絵画作品が使われている。詩人・画家として日本のシュールレアリズムを語るには欠くことのできない人だ。このセンスにも脱帽。
写真は左から『月光』収録の3巻、『テンペスト』『ハンマークラヴィーア』収録の4巻、そして最終5巻の目玉は『熱情』か。

ベートーヴェン、悪くないではないか。
メジューエワの演奏が素晴らしいのはもちろんだが、曲自体がやはり良い。

となると、身振りの大きくなるオーケストラ曲が苦手なのか?
いや、もしかすると苦手なのは「あの曲」だけなのかもしれない。実際のところ「あの曲」だってホントに苦手なのか? わからなくなってきた。。。
聴き直してみるか、ベートーヴェンのシンフォニー。
といっても、すぐには無理。だってCDないし。。。
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