今日はコンサートとライヴのダブルヘッダー。。。
ということで、今日は前半のコンサートについて、明日に後半のライヴについて書きたいと思う。
赤丸急上昇の女声アカペラグループ、アウラの横浜での初コンサート。
旧第一銀行横浜支店の歴史ある古典様式建物を使ってのコンサート。大理石仕立ての豪奢な建物だ。現在は多目的スペースとして使われているようだ。
実はここに来たのは2回めになる。前回は一昨年の11月、アンサンブル・プラネタから独立した高橋美千子嬢のコンサートだった。
今回は4thアルバム『トッカータとフーガ』のレコ発コンサートと、年末のクリスマス・コンサートの間に位置するということで、どのようなプログラミングになるか楽しみにしていた。
3rdアルバムでメジャーデビューしてから、格段に支持者が増えている。よって、1stや2ndに収録された曲を聴きたいという声も多く、それにある程度応えた形の選曲になっていたようだ。前半は懐かしい曲を並べてきた。
01.美しい夜、おお恋の夜(オッフェンバック) from 1st
02.サンタ・ルチア(コットラウ) from 2nd
03.カディスの娘(ドリーブ) from 2nd
04.私のお父さん(プッチーニ) from 1st
05.さあ、もう一度 愛が呼んでいる(ダウランド) from 2nd
06.まことの太陽の光が(サン・マルシャル写本) アルバム未収録
07.天界の女王よ(モンセラートの朱い本) from 3rd
08.アルハンブラの想い出(タレルガ) from 2nd
<休憩>
09.アヴェ・ヴェルム・コルプス(フォーレ) from 4th
10.アダージョ(アルビノーニ) from 4th
11.アヴェ・マリア(シューベルト) from 4th
12.アヴェ・マリア(グノー) from 4th
13.アヴェ・マリア(カッチーニ) from 4th
14.春(ヴィヴァルディ) from 3rd
15.トッカータとフーガ ニ短調(バッハ) from 4th
<アンコール>
16.ハレルヤ(ヘンデル) from 2nd
デビュー当時はプロデューサーにずいぶん注文を付けたものだが、着実に進化を続ける姿は頼もしい限りだ。文句の付けようがなくなったのはいつ頃からだったろうか…。
古い曲はずいぶん印象が変わってきている。懐古趣味的な再演ではなく、未だにいい意味で曲が発展途上であることを感じさせる。曲を大事にし、さらにグレードを上げようという志の高さゆえだろう。アーティストとしての矜持を見た思いがする。
当時はギリギリめいっぱいだった曲も、今は余裕をもって歌っている。それは『サンタ・ルチア』『カディスの娘』あたりに顕著に表れていたと思う。懐かしいというよりも、成長ぶりを見せてくれたことが嬉しい。
こういうプログラムもいいものだ。
会場の響きはなかなか良かった。高音は綺麗に響くが、低音がややこもったように響くのが惜しい。
前回来たときはさほど響きがいいとは思わなかったのだが…。
彼女たちの場合、ホールの性格によって、パフォーマンスを修正してくるので、ホールの性能を十分に引き出していたということかもしれない。
アウラは女声のアカペラということで、癒し系と言われることも少なくないが、実はそんなに簡単に一言で済ませられるものではない。確かにどこまでも美しい響きに癒し効果があることは否定しない。しかし、アウラの音楽は実はグルーヴィーで人の心を鷲掴みにして激しく揺さぶるという側面もある。
クラシックには似つかわしくない「グルーヴィー」という言葉を使ったのには理由がある。
アウラのリズム(テンポ)はメトロノームのように正確というわけではない。揺らぎがある。もちろん、彼女たちにとって正確なテンポで歌うことはたいして難しいことではないだろう。例えばメロディーの節回し、言葉のアクセント、さらには体のリズム、に即して微妙にリズムをずらしてくる。ずれという言葉が悪ければ、先に記した揺らぎと言い換えよう。アゴーギクを考えてもらえればいいと思うのだが、そうとも言えないほどの微妙な揺らぎ。この揺らぎを持たせた状態で、ジャストのタイミングでアンサンブルをキメて行くというのは至難の技だと思うのだ。つまり5人全員が同じように揺らいでいかないことにはそれこそずれてしまうからだ。これがまさにアウラを「生きた音楽」たらしめている大きな要因のひとつだと思う。人間の体は正確すぎるリズムよりも自然な流れに乗ったリズムの方に心地よさを感じるはずだ。アウラの音楽に温かみがあるのにはそんな理由もあるのだと思う。
それゆえ、人に安らぎを与えるとともに、心を揺さぶることもできるのだ。
譜面の再現からさらに一段高いところを目指しているのがアウラなのだ。よってアウラの音楽はクラシック・ファン以外にもアピールする力がある。
アウラのコンサートに行くと、最近そんなことを考える。
まだまだ先が見えない。アウラが目指すものはまだずっと遠くなのだろう。
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