mixiユーザー(id:68108846)

2026年10月13日07:31

29 view

フィリップ・コトラー + ヘルマワン・カルタジャヤ + イワン・セティアワン『コトラーのマーケティング6.0』(朝日新聞出版)

フィリップ・コトラー + ヘルマワン・カルタジャヤ + イワン・セティアワン『コトラーのマーケティング6.0』(朝日新聞出版)を読みました。
著者3人は順に、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院名誉教授、Mコープの創業者・会長、インドネシアの中心的なマーケティング・メディアであるマーケティアズのCEO、となっています。
英語の原題は Marketing 6.0 であり、2023年の出版です。本書は3部構成となっていて、第1部が概論、第2部がイネーブラーと環境、第3部が体験、となっています。邦訳書の出版社ではこのシリーズは『3.0』から手がけているようで、巻末の宣伝はそうなっています。
本書冒頭では、製品主導のマーケティング(1.0)、顧客志向のマーケティング(2.0)、人間中心のマーケティング(3.0)に続いて、デジタル化の象徴ともいえるドイツ政府の「インダストリー4.0」に対応したマーケティング(4.0)、日本政府の「ソサエティ5.0」に対応したマーケティング(5.0)から、本書ではZ世代やアルファ世代といったデジタル・ネイティブ世代の増加に対応する没入型、あるいは、リアルとデジタルが融合するマーケティング(6.0)、メタマーケティングを取り上げている、とされています。
最初はタイプミスかと思ったのですが、「フィジタル」physital =フィジカル physical + デジタル digital というネーミングを使っています。さまざまな媒体を通じたマーケティングであるオムニチャンネル・マーケティングがさらに進化して、メタマーケティング6.0になるそうです。リアルかバーチャルかという二項対立を超えたメタマーケティングだそうです。経済学の隣接領域の経営学とはいえ専門外ですので、そのあたりは読んでいただくしかありません。
そのマーケティング6.0を可能にするイネーブラーが5つ列挙されており、すなわち、データ収集のためのモノのインターネット(IoT)、データ処理のための人工知能(AI)、体験をモデル化するための空間コンピューティング、インターフェース拡張のためのARとVR、そして、インフラのためのブロックチェーンとなります。詳細は第2部第5章で取り上げられていますので、そのあたりについても読んでみてのお楽しみです。
この5項目のイネーブラーのうち2点だけ少し詳しく見ておくと、空間コンピューティングとは、第1部で言及されている範囲では、コンピューティングというほどのレベルではなく、自動ドアのようなセンサー技術かと思っていたのですが、衣類のスマート試着室とかの例が上げられており、さらには、SNSの将来形としてのメタバースまで拡張されうるマーケティングと考えられます。また、AR=拡張現実とVR=仮想現実だけではなく、MR=複合現実も合わせて、エクステンデッド・リアリティ=XRを提唱しています。
他方で、3人に1人がデジタル疲れ=digital fatigue を感じているというコンサルの指摘にも言及されており、視覚と聴覚というデジタルで可能な範囲だけでなく、五感のうちの視覚と聴覚以外の嗅覚、味覚、触覚も含めた五感を魅了するマーケティングの重要性も強調されています。
最後に、こういった方面に詳しくない私の理解では、没入型のマーケティングとして、本書でも言及されているポケモンGOを思い浮かべました。ポケモンGOに触覚とか嗅覚、さらに、可能な範囲で味覚を加えるようなマーケティングである、ということなのかもしれません。
まあ、専門外もいいところなので、誤解していたり、理解が不足していたりするところはご容赦下さい。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する