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2026年09月28日08:17

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中本悟・中川涼司・松村博行・森原康仁[編著]『米中対立と経済安全保障』(晃洋書房)

中本悟・中川涼司・松村博行・森原康仁[編著]『米中対立と経済安全保障』(晃洋書房)を読みました。
編著者は、順に、立命館大学経済学部教授、立命館大学国際関係学部教授、駒澤大学経済学部教授、専修大学経済学部教授となります。はい、筆頭編著者の中本先生は私の尊敬する先輩教員です。ちょくちょく、中本先生の後を受けて米国経済を教えている大橋先生との共著を見かけるのですが、本書では大橋先生は入っていません。はい、どうでもいいことでした。
本書は序章と終章を別にすれば、3部10章の構成となっており、第�吃瑤�経済安全保障論の台頭とその国際的波及、第�局瑤�経済安全保障と産業・産業政策、第�敬瑤�経済安全保障と世界経済、をそれぞれテーマとしています。
私の授業でも取り上げていますが、経済安全保障を強力に取り上げているのは経済産業省であり、特に、2022年の「通商白書」では中国からの調達を意識した安全保障に関する議論がなされていました。
本書では、暗黙のうちに、1990年代初頭のソ連や東欧諸国における共産主義の崩壊からグローバリゼーションの大きな流れが生じたことを前提にしつつ、さらに、21世紀に入ってハイパー・グローバリゼーションとなった下で、特に米国にトランプ政権が誕生してから、経済を「武器」として活用し、世界の分断のリスクが高まっている点を指摘しています。そういった産業や個別企業やサプライチェーンから国際的な経済秩序と関連させて経済安全保障を本書では論じています。
ただ、私が常に感じているのは、経済安全保障という名で政府や国家がどこまで企業活動をサポートする必要があるのか、という点です。
例えば、慶応義塾大学の木村教授は、小川英治[編] (2023) 『ポストコロナの世界経済』、東京大学出版会の第2章において、「デカップリング」という用語を用いつつ、経済制裁などの攻撃的なデカップリングに対して、防衛的なデカップリングでは、輸入依存度の高さだけを問題とするのではなく、供給の途絶リスクの蓋然性に加えて、どの程度の期間で代替が可能となるかを分析することが必要であり、こういった対応は、「民間企業による効率性とリスク対応のバランスに関する意思決定の中で、かなりの程度は解決済みである。」と指摘しています。
私が霞が関の役所で勤務していた経験からして、経済産業省には経済を国家統制しようとするマインドがあります。というか、経済産業省に限定せず、財務省とかほかの役所でも、そういった国家統制的なマインドがあることはあるのですが、川上のサプライチェーンや逆方向の川下の販売網など、企業の意思決定ではなく政府のコントロールに従わせる必要がどこまであるのか、本書でも議論は不十分だと私は感じてしまいました。

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