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2026年09月27日08:37

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野澤千絵『マンション高騰の真実』(中公新書ラクレ)を読みました

野澤千絵『マンション高騰の真実』(中公新書ラクレ)を読みました。
著者は、明治大学政治経済学部政策学科教授であり、ご専門は都市政策・住宅政策だそうです。
マンション価格、特に東京をはじめとする首都圏のマンション価格がとてつもなく高騰していて、その昔は1億円を超える「億ション」といえば、それなりに立派なマンションだったのですが、今ではごくフツーのマンションでも億単位のお金が必要、というのは広く報じられている通りです。
このマンション価格の高騰、まさに本書のタイトルに対する結論はズバリ、「住まない買い手」であると指摘しています。ただ、決して外国人だけでなく、日本人富裕層も「住まない買い手」に含まれる、と本書では結論しています。本書では、単にインタビューなどのケーススタディだけではなく、徹底したフィールドワークに基づく登記簿などのデータを徹底解析し、国内外の富裕層や法人が新築マンションだけではなく中古マンションまで買い漁っている実態を明らかにし、そういった多くが転売や資産保有などの目的で取得されているため、マンション価格を釣り上げ、ホントに住む必要のある人々をクラウディング・アウトしている、という実態を明らかにしようと試みています。
特に、マンション購入法人の6-7割は、企業の顔ともいえるweb上のホームページすら持たず、本書では「顔の見えない法人」と称しています。また、海外からの購入については、よくいわれる中国ではなく、台湾だということで、「台湾有事」からの避難かもしれないと本書では分析しています。
マンションが「住まない買い手」に高額で売られ、当然住まないわけですので、町としても機能不全に陥る危険、都市政策にも重大なリスクをもたらす可能性が高まります。そういった実情を分析した上で、第4章ではカナダなどの海外の事例を紹介し、終章で方策を7点上げています。このあたりは読んでみてのお楽しみです。私も専門外ですので、こういった方策の実現性や有効性については、十分には評価しかねます。
でも、定年後に東京を脱出して郷里の関西に戻った身として、やや無責任ながら、東京や首都圏在住者だけでなく、何らかの対策が必要であることについては多くの国民が合意できるのではないか、と考えています。

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