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2026年08月30日09:03

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ナオミ・クリッツァー『陽の光が消えた町で』(早川書房))を読みました

ナオミ・クリッツァー『陽の光が消えた町で』(早川書房))を読みました。
著者は、米国ミネソタ州在住の作家です。本書に収録されている「報酬は猫の写真で」で2016年度のヒューゴー賞とローカス賞をダブルで受賞するなど、受賞作品や最終候補作品などがいっぱい収録されています。本書は日本オリジナルの短編集です。
基本、SF小説なのですが、小難しげな科学的なメカやシステムなどはあまり登場せず、SFというよりもファンタジーと受け止める読者も少なくないだろうと私は考えています。
収録されているのは6話の短編です。順に簡単にあらすじを追っておきます。まず、「小さな図書館の司書さまへ」は、田舎町にある自宅の庭先に図書の無料貸出しの小さなボックスを設置したところ、本の貸出しに対してハンドメイド品や金貨が置かれるようになります。表題作の「陽の光が消えた町で」では、災害により空が灰に覆われ、食料の供給が不足し、電気も不安定になり、主人公は近所の人たちと協力して、物資を集め技術を持つ人たちが役に立てるよう調整していたところ、女性が慢性閉塞性肺疾患の病気のため、機械による酸素補給をし続けなければならないことことを聞き、住人たちで自転車による発電チームを結成します。
「怪物」では、主人公の女性は遺伝子研究で大きな成功をしたのですが、高校で出会った中国系米国人の男性は人生で道を踏み外して行き、主人公は悪用された技術に対応して中国に行って男性を探します。ラストはとても哀しかったです。「報酬は猫の写真で」では、主人公は猫の写真が好きなAIであり、LGBTQや何やの問題について、人々にもっとも合理的な選択肢を提示してくれるのですが、その回答の動機は決して善意ではありませんでした。でも、AIの動機は決して怖いものではありません。
「海を見渡す四姉妹」では、アザラシの研究をしていた主人公が海辺の町に引越すと、「四姉妹」と通称される大きな4つの岩があり、それにまつわる不思議な伝承もあります。夫婦で研究者を目指しながら諦めた妻が、もう一度チャレンジする姿がかっこよかったです。最後に、「アルゴリズムでよりよい生活を」では、朝のモーニグコールから始まって、さまざまな有益なアドバイスをしてくれるアプリをインストールして幸福度が上がる主人公なのですが、やっぱり落とし穴があって、少し怖い宗教だったりします。
最後に、各短編のタイトルを記した扉に賞の受賞やノミネートが記されており、6話の合計でヒューゴー賞、ネビュラ賞など有名な英米SF賞を8タイトルも受賞している短編集です。それほどメカや科学的な難しい仕組みのないSFであり、とても明るい気持ちにさせてくれるお話が少なくなく、オススメです。

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