床品美帆『降り止まぬ雨の殺人』(東京創元社)を読みました。
著者は、同志社大学ご卒業のミステリ作家であり、本書が初長編ということになります。京都辻占探偵六角のシリーズ第2作です。
主人公は2人いて、横浜から京都に移り住んできたカメラマンの安見直行と代々法衣店を営む六角聡明です。2人とも20代半ばです。六角家の祖先は平安時代には宮中の陰陽寮に参内した陰陽師に行き着くともいわれていて、六角聡明は法衣店を営むほかに、失せ物探しなどの辻占いもしています。当然、ホームズの探偵役は六角聡明が担います。ですので、ややオカルト的な味付けのあるミステリです。
ストーリーは、11月の雨の日に森沢レミという20代半ば後半で、主人公2人と同じ年代の女性が六角法衣店を訪れて、7年前に19歳で自動車事故で亡くなった妹の森沢聖奈の遺品である青い日傘の本当の持ち主を探す依頼を受けるところから始まります。まあ、何と申しましょうかで、六角聡明の本来の失せ物探しの逆を行くわけです。森沢レミは、妹の聖奈の交通事故死に不審を持ち、警察に再捜査を何度もしつこく申し入れた挙句に、六角聡明の知合いの森郷刑事から紹介されてやって来ています。
主人公の2人である安見直行と六角聡明が調査を開始すると、関係すると考えられていた不動産会社の御曹司が京都府北部の漁港で水死体となって発見されます。さらに、森沢聖奈が交通事故を起こした寄田地区の自動車解体業社長が密室殺人で殺されて発見されます。そして、そういった死体発見現場には、安見直行と六角聡明や依頼主の森沢レミが「ゴースト」と呼ぶ白いワンピースを着た女性が目撃されたりします。
さらに、同時進行でネット上のジャーナリストを称する「ゴミの仇」と名乗るアカウントから、関連する情報が発信されたりします。さらにさらにで、古びたアパートから女性の腐乱死体も発見されます。こういった一連の殺人事件ないし死亡事故の真相が最後に解明されます。
はい、この長編はかなりエグい犯人の意図が感じられますが、とても大規模な事件・事故に対して論理的な推理がなされます。オカルト要素についてもキチンと解決されます。万人にオススメとはいえませんが、京都を舞台にしたミステリとして一定のファンはいそうな気がします。
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