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2026年07月08日08:06

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小峰隆夫『地域と人口減少の経済学』(中公新書)を読みました

小峰隆夫『地域と人口減少の経済学』(中公新書)を読みました。
著者は、私の役所の大先輩の官庁エコノミストであり、その後は学界に転じ、現在は大正大学客員教授だそうです。
本書は、少し前に取り上げた『スマートシュリンクへの道』(中央経済社)と同様の論考であり、基本的には、現在の日本の人口減少に対して、抑制したり反転させて人口増加を目指すのではなく、人口減少を受け入れて適応した上で、どのようなシュリンク=縮み方が望ましいのかを議論しています。
特に、第1章ではコロナショックにより日本の人口減少テンポが加速し、従来の想定よりも約20年早まった点を強調しています。その上で、政府が取り組んできた地方創生は、「地方創生により人口1億人を達成する」という観点であり、考え直す必要があると主張しています。ただ、前の石破内閣によって進められてきた「地方創生2.0」では、この点はかなり修正されてきていると指摘しています。
さらに、これは私と共通する観点で、「東京一極集中の是正」の見直し、というか、東京一極集中の容認を主張しています。はい、私もいわゆる「国土の均衡ある発展」という田中内閣以来の政策は、それなりに重要ではありますが、人口減少下ではどこまで堅持すべきかは疑問なしとしません。国民の選択により東京にさまざまなものが集中しているのですから、政府機能の分散などで強引に地方に分散させるのは考えものだと受け止めています。例えば、総務省統計局が和歌山に「統計データ利活用センター」を開設したりしていますが、統計局勤務の経験者として、いくつかの報告を見ている限り、本格的な移転には疑問が残ります。そして、イベントなどの劇場型の地方おこしから、共有型の地方再生に進み、国民のウェルビーイングの改善を図る、と主張しています。
最後に、私自身の専門分野ながら、経済学の限界を感じます。すなわち、本書も経済学的分析に基づいていますので、結局、超長期の対応の部分はムリと感じました。超長期の対応、というのは、人口減少に適応的に対応するとしても、私はどこかに最小限維持すべき人口規模があると考えています。極端な見方かもしれませんが、おそらく日本全土で100万人くらいまで人口が減少すると、国防や産業など、国家としての活動は維持できなくなると私は考えていて、根拠はありませんが、おそらく、2000-3000万人のあたりに非線形な限界がありそうな気がしています。その人口規模を下回ると急激に国家としての活動維持が困難になるポイントがある可能性を考えるべきです。ですから、どこかで人口減少を食い止める必要があるわけで、「適応戦略」が全国の人口100万人規模まで未来永劫に有効なわけではありません。ただ、経済学のスキームでこういった超長期の分析をするのはムリがあります。別の学問分野の課題だという気がします。

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