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2026年06月30日07:25

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塚本高浩・山田光男[編著]『都市と地域の計量経済分析』(勁草書房)を読みました

塚本高浩・山田光男[編著]『都市と地域の計量経済分析』(勁草書房)を読みました。
編著者は、順に、中京大学経済学部准教授と中京大学名誉教授です。
本書は、中京大学経済研究所研究叢書のシリーズの一環として編まれています。チャプターごとの著者に、私がよく知っている立命館大学経済学部の同僚教員や名誉教授が入っていますし、しかも、第6章なんかでは中部圏に含まれる9県として、富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、愛知県、三重県とともに滋賀県もリストアップされていたりします。
実は、私は地域学会の会員であり、唯一の査読論文「確率的景気指標による長崎地域経済の研究: 長崎経済の定型化された事実の検証」も所属の学会誌である『地域学研究』に掲載されていますので、都市経済学との関係もあって読んでみた次第です。ただ、結論からいえば、どうも都市経済学の色彩は薄く、地域研究が大きなテーマであるといえます。
9章から構成されていて、中部経済圏の経済について、産業別の輸出、電力企業の生産性、鉄道廃止の人口への影響、中部圏を離れて中国の格差と発展、最低賃金の雇用や所得への影響、産業連関表を用いた中部圏や滋賀県における消費の分析、CCSによるCO2排出削減効果、そして、女性就業者の産業別出生率の推計などが分析されています。
すべてのチャプターでかなりフォーマルな定量分析がなされています。でも、第2章の電力会社のTFPの要因分解などは、ハッキリいって、解釈に苦しむ結果が出ていたりして、どこまで定量分析の結果の信頼性が確保されているのか、やや疑問に思わないでもありません。その一方で、交通の分析については、名鉄三河線が廃止されたにもかかわらず、代替輸送バスにより人口減少に大きな影響を及ぼさなかった、といった結論には一定の評価を下すべきかと思います。最低賃金の影響も、そもそも、従来からそれほど明確な結論を得られていない分野であることも確かです。
分析手法も、クライン型の計量モデルを使っていたり、レオンティエフ型の産業連関分析をしていたりと、それなりにバラエティがあり、しかも、完全な学術書ながら、かなり初学者向けも配慮して行列式の展開があったりして、一般読者もある程度はスムーズに読み進めることと思います。


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