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2026年06月25日07:46

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佐川恭一『学歴狂の詩』(集英社)を読みました

佐川恭一『学歴狂の詩』(集英社)を読みました。
著者は、作家であり、滋賀県の旧能登川町、現在の東近江市のご出身で、地元の町内に1校しかない公立中学から京都にある進学校「某R高校」、さらに、一浪して京都大学文学部に進学しています。
まず、「某R高校」とは、私も京都の出身ですので、京都にある進学校の私立男子校で「R」がつくのは洛星高校かと思っていましたが、本書後半に「R星」というのが出て来ますので、どうも、洛南高校ではないかと想像しています。私の出身である東大寺学園やラ・サールはそのままモロに実名で登場します。
本書は大学進学にまつわるエッセイなのですが、要するに、主として高校時代の思い出、圧倒的に高偏差値大学への進学を目指した高校生活に関するエッセイです。少しくらいは話を盛っている可能性はありますが、すべてがまったくのフィクションというわけでもないんだろうと私は受け止めています。それくらいの最低限のリアリティは持たせています。
本書でも少しだけ言及されていますが、多分、今もって滋賀県には私立の男子校でいわゆる進学校というのは存在しないんだろうと思います。県立膳所高校がおそらく高校のトップ校ではないか、と私は考えています。他方で、京都府と奈良県については、私のような60代後半という世代の男性にとっては、京都なら洛星高校、奈良なら東大寺学園、というのが頭に浮かびます。
1977年に高校を卒業して大学に進学した私の世代からは、1980年代創立の西大和学園は影も形もありませんでしたし、洛南高校もスポーツ校という記憶しかありません。でも、洛南高校については特進コースを設定して大学進学に熱を入れているというお話は聞き及んでいましたし、もう50代だと思いますが、私の役所の後輩で洛南高校-東大からキャリアの国家公務員となった洛南高校OBもいます。
まず第1に、私の本書に関する感想というのは、やや誇張して話を盛っている部分はあるのでしょうが、まずまず、進学校の男子校ではあり得る範囲のエピソードであろう、と考えます。
第2に、そういった高偏差値大学への進学に熱を上げるというのは、高校生活の送り方としては、決して悪くないということです。高偏差値大学、本書では東大京大国公立医学部を例としていますが、偏執狂的であっても進学や学歴にこだわって、そういった大学に進学するのは、少なくとも悪い話ではありません。高偏差値と社会で通用するコミュニケーション力はトレードオフではありません。後者を犠牲にしなければ前者が得られない、という関係ではありません。
第3に、多分、東大はともかく京大レベルなら、本書12章p.117あたりにあるように、「学歴狂」の濃度が薄くて、「ナチュラルに勉強ができまくって、現役で受かる」といった人物が少なくないのは事実だろうと思います。ひょっとしたら、本書の著者からすると東大寺学園卒業の私もそう見えそうな気がしないでもありません。
最後に、繰返しになりますが、事実に基づいてパロディ的に少し話を盛っているところは否定できませんが、私立の男子校の進学校から京都大学という同じようなルートを経験した私には、まあ、あり得るお話で面白かった、というのが正直な読書感想です。

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