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2026年05月10日08:00

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綿矢りさ『グレタ・ニンプ』(小学館)を読みました

綿矢りさ『グレタ・ニンプ』(小学館)を読みました。
著者は、芥川賞作家です。
本書の主人公は、呉田俊貴であり、舞台は武蔵小杉です。主人公はオフィスが同じビルにあることから、控えめで笑顔が可愛い由依と知り合って結婚します。夫婦で妊活や不妊治療を4年続けた末、結局、子どもを諦めて夫婦2人で生きていくと決めた矢先に、俊貴が仕事から帰宅すると、由依がまるで『八つ墓村』のように、妊娠検査薬を角のように頭に刺して、さらに髪の毛も短くした珍妙な格好で踊っていました。要するに、妊活を諦めた途端、自然妊娠したわけです。
妊娠した喜びなのか、何なのか、由依は内面外見ともに豹変してしまいます。髪型はデニス・ロッドマンのようにベリーショートかつパープルに染め上げられていて、喋り方は『ドラゴンボール』の孫悟空のようなべらんめえ調になっています。最初は驚きばっかりだった夫の俊貴も段々と受け入れるようになっていく変化がとても、何というか、綿矢ワールド全開で描写されます。
産婦人科での受診、出産時期と重なった転勤・転居、もちろん、出産と夫婦の両親がすべて集合したお宮参り、などなど、繰返しになりますが、綿矢ワールド全開です。そのあたりの詳細は読んでみてのお楽しみですが、綿矢りさのファンであればぜひとも読んでおくべき作品です。したがって、私は読みました。
最後に収録されている短編「深夜のスパチュラ」は、文春文庫のアンソロジー『二周目の恋』に収録されていましたので、私は既読でした。
最後の最後に、まったくどうでもいいことながら、その昔、「マル金」と「マルビ」の流行語を生み出した『金魂巻』を思い出させるように、フォントが所々で大きくなったり、太字にされたりで、強調されているところがあります。『グレタ・ニンプ』だけでなく、「深夜のスパチュラ」もそうなっています。アンソロジーで読んだ際にはそうではなかったような気がします。

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