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2026年05月01日07:55

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宇南山卓『経済統計』(新世社)を読みました

宇南山卓『経済統計』(新世社)を読みました。
著者は、京都大学経済研究所教授であり、京都大学の前の一橋大学ご勤務の折り、だったと思うのですが、私が総務省統計局に勤務していたころ、いろいろとお世話になった記憶があります。したがって、というか、何というか、統計や経済統計の専門家といえます。
本書はライブラリ「今日の経済学」のシリーズ7巻目として発刊されています。私の役所の後輩だった堀雅博教授の『読んでわかる推測統計学の考え方』(日本評論社)を取り上げた際に軽く言及しましたが、統計と経済統計は少し色合いが異なります。本書は後者の経済統計に関する解説書なわけです。
経済統計の大きな特徴は、時系列データであるという点です。フローデータにせよ、ストックデータにせよ、過去の時点と比較できる時系列データである場合が圧倒的に多くなっています。加えて、本書で取り上げているような経済指標と呼ばれる経済統計は、多くの場合、マクロ経済に関する統計です。
本書でいえば、いくぶんなりとも、大学のセメスターを意識した15章構成のうち、第2章から第8章まで、ほぼ半分のボリュームを国民経済計算=SNA統計に当てていて、経済統計の中心的な存在といえます。SNA統計とは、大雑把に、GDP統計とその関連統計と考えればOKです。第9章から11章までがミクロ統計というタイトルが入っていますが、第10章の家計関連のミクロ統計、とはいっても、国勢調査や労働指標などは集計=aggregateされていますから、ほぼほぼマクロ統計の扱いでOKだと思います。第11章の企業関連のミクロ統計も同じです。
私が少し「オヤ」と思ったのは、第13章で賃金と金利を同じ章で取り上げている点です。生産要素という意味で、労働への報酬である賃金と資本ストックへの報酬から派生する金利を同じ章で扱っています。それはそれで合理的か、という気もしました。
本書の活用については、私のように通して読むのがひとつの方法ですが、本書冒頭で著者が指摘しているように、経済統計の辞書のような活用もあり得るかもしれません。
最後に、パネルデータの説明の直前に、時系列データと横断面データのイメージ図が本書p.131にありますが、これだけは、堀雅博『読んでわかる推測統計学の考え方』(日本評論社)のp.22の方が圧倒的に直感的理解に資すると思います。でも逆に、本書p.131のような概念図が書ける、というのは本書のご著者が頭いい、ということなのだろうと私は受け止めています。

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