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2026年04月14日07:35

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堀雅博『読んでわかる推測統計学の考え方』(日本評論社)を読みました

堀雅博『読んでわかる推測統計学の考え方』(日本評論社)を読みました。
著者は、東京経済大学経済学部の教授なのですが、ぶっちゃけ、私の役所の後輩です。ご著者が新入庁した当時の経済研究所の世界経済モデルグループの係長ポストに私がいました。
ご寄贈いただきましたのでお礼のメールを送ると、「お時間を取って読んでいただけるような代物ではありません」との返信があり、要するに、初学者向けの統計学の入門書という位置づけです。3部構成であり、第�吃�記述統計編、第�局�確率編、第�敬�推測統計編となっており、ていねいに数式を展開して直感的に理解できるように工夫されています。
大学に入学したばかりなどの初学者向けの入門書ですので、このレビューでも、本書を読んで勉強する初学者の読み方、というよりは、そういった初学者におすすめするポイントを中心に取り上げたいと思います。
まず第1に、繰返しになりますが、統計学の入門書です。というのは、詳しくいえば、経済統計学の入門書ではない、ということであり、経済学部に限らず、幅広い大学1年生向けであるといえます。経済統計の大きな特徴のひとつは時系列データである、という点で、本書でも、横断面データ、時系列データ、パネルデータが第1章冒頭で取り上げられていて親切な作りになっています。
ただ、第2に、かなり詳細に数式を展開しており、私自身はこういった形で議論を進めることが教育的、学習的に正しいと思っているのですが、少なくとも、我が立命館大学経済学部の新入生を見ていると不安を感じることも事実です。私は役所勤務のころは、東大数学科ご出身の同僚が何人かいましたので、そういった数学能力に秀でた人に数式の展開なんかを添削してもらった記憶があります。そういったサポートがなくなった長崎大学への出向時に書いた政府財政のサステイナビリティに関する論文の数式で、立命館大学の大学院生に誤りを指摘されたこともあります。
私はこういった統計や計量経済学では数式を展開しつつ、直感的に理解させるのが重要だと考えています。その点で、本書ではサイコロのランダムな出目を取り上げているんですが、そのランダムな出目のサイコロでも数多くのサイコロを振れば正規分布に近づく、という直感的な中心極限定理の理解にも時折言及します。ただ、本書では数多くのサイコロの出目と中心極限定理はリンクさせていません。
加えて、本書を離れますが、市場均衡の一意性に利用される不動点定理については、同じ地域を収録している縮尺の違う地図を重ねると、ただ1地点だけ重なる地点が存在する、というのは、とても直感的によく理解できた記憶があります。後者の不動点定理は統計学のスコープ外でしょうが、教える側からは重宝しています。
最後に、統計学については社会人になってからの実務とも関連が深くなります。ですので、実務上で統計学、あるいは統計を用いる際に、こういった理論上の基礎があればとても助かると思います。本書では、統計作成上のランダムサンプリングについては「その方法自体でこの本よりも分厚い本が書けるくらいの大問題」(p.168)と流していますが、統計局で理論的基礎をどこまで教えているのかは知りませんが、実務的な研修では2-3時間でサラッと教えていたような気がします。

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