瀬尾まいこ『その扉をたたく音』(集英社文庫)を読みました。
主人公の宮路はミュージシャンとしてギターで生計を立てようとしつつも、大学を卒業してから7年間30歳を前にしながらも、いまだに市会議員の親からの毎月20万円の仕送りで暮らす身です。ある日、介護施設のレクリエーション行事で歌う機会があり、介護士の渡部のサックスを聞いて、神に出会ったと感じます。
宮路は毎週施設に来ては、施設の高齢者から買い物を頼まれて、渡部にセッションを持ちかけます。渡部もそれに応じて、施設のレクリエーション向けということで、2人で練習に励みます。演目は Green Day の Wake Me Up When September Ends です。そして、その9月にこの小説も結末を松を迎えます。ハッピーエンドのような、少しほろ苦いような、そのあたりは読んでみてのお楽しみです。
この小説は同じ著者の『もう少し、あと少し』と『君が夏を走らせる』ときわめて緩やかにつながっています。『もう少し、あと少し』では中学生の大田くんが駅伝を走り、『君が夏を走らせる』では高校生になった大田くんが夏休みに子守を頼まれます。この『その扉をたたく音』の渡部くんは中学生のころに大田くんらとともに駅伝を走っています。残念ながら、大田くんや上原先生は出てきません。でも、時折、駅伝には言及があります。
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