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2026年01月29日08:10

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坂本貴志・松雄茂『再雇用という働き方』(PHP新書)を読みました。

坂本貴志・松雄茂『再雇用という働き方』(PHP新書)を読みました。
著者は、リクルートワークス研究所の研究員とリクルートご出身でポストオフ後にシニア活躍支援などをしている方のようです。
本書では、「ミドルシニアのキャリア戦略」という副題に見られるように、大雑把に50-70歳くらいを対象にした雇用について、雇用者のサイドと企業のサイドの両方から分析しています。公的年金支給開始年齢が65歳、しかし、定年退職年齢は多くが60歳という雇用と年金支給のミスマッチにあって、どのようなキャリア戦略でもって働くか、また、雇うか、というテーマだろうと思います。
私自身はエコノミストとして、働くなくてもいいような社会保障体制が整えられるのが一番と考えていますが、所得確保だけでなく社会との接点の維持や人生目標などから考えて、働き続けたいと考えているミドルシニアは少なくないことも事実です。
私自身は60歳で当時の役所の定年を迎えた後、現在の立命館大学に転職=再就職して現役生活を継続し、さらに大学でも65歳の定年の後に大学の特任教授として、まあ、本書でいうところの定年後再雇用に入っています。でも、それほど業務負担=授業コマ数が減ったわけではありません。65歳の定年前は標準で週5コマだったのが、標準週4コマになっただけなのですが、お給料は半減しています。同年齢の大学の同級生の中には、まだ職探しをしている者もいますが、警備や清掃といった高齢者向けの仕事しかないとぼやいています。
本書では、タイトル通りに、雇用者のサイドからキャリア形成を考えるとともに、企業サイドから高齢者の雇用確保やスキル活用をどう考えるか、といった視点も大いに取り入れています。すなわち、定年を延長した上で役職定年=ポストオフの後のミドルシニアの活用については、企業にとっては不連続な処遇変更は生じないものの、報酬が高止まりしたまま処遇が硬直化する、というリスクを指摘し、逆に、定年で一度退職金も支払った後の再雇用では、定年延長とはまったくシンメトリーに逆のメリットとデメリットがあると結論しています。それに、どちらにしても、東洋的というか、儒教的な「長幼の序」がある世界で、年上の部下を年下の上司が指揮監督するという組織運営上の難しさもついて回ります。
私個人のケースでは、役所の公務員だったころは、そもそも能力不足によって出生が遅くて、60歳の定年前の段階で年下の上司から仕事の命令を受けることがありました。大学に来れば、組織や人事はほぼほぼフラットですから、組織上の難しさは関係なくなりました。
本書では、企業サイドではなく雇用者のサイドからのキャリア戦略としては、仕事の働き方のペースを落とすか維持するかを縦軸に、同じ組織で働き続けるか転職・独立するかを横軸に取って、4象限で考えています。はい、私の場合は転職して仕事のペースを落とす、という選択をしたわけで、私にとっては悪くない選択だったと思っています。
最後に、私の同級生の見方も理解できる部分が少なくありません。すなわち、私は日本の企業が評価をミスっているコーホートが2つあり、高齢者と法経系の大学院卒だと考えています。繰返しになりますが、高齢者には警備や清掃といった仕事しか割り当てられず、法経系の大学院卒はまったく採用しようとはしません。特に、後者は日本のオフィスの生産性が低い一因である可能性を私は感じています。最後の点は本書のスコープ外の私の感想です。

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