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2025年12月26日09:00

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柊サナカ『喫茶ガクブチ 思い出買い取ります』(文春文庫)を読みました。

柊サナカ『喫茶ガクブチ 思い出買い取ります』(文春文庫)を読みました。
著者は、作家なのですが、10年以上も前に「このミス!」大賞・隠し玉として、『婚活島戦記』でデビューしているらしいです。私には初読の作家さんでした。
舞台、というか、喫茶ガクブチがあるのは東京は高円寺であり、父親の跡を継いだ美咲兄妹が主人公です。額装を担当する兄の伸也が2階の額縁店を切り盛りし、妹の真日留は1階のカフェにいます。さまざまな絵画や写真ほかを額装して売るわけです。もちろん、持ち込んだご本人が買う場合もあります。
6話の短編が収録されています。順にあらすじは、まず、第1話の「旅の空と今日の空」では、大学卒業後に就職もせずに海外旅行を楽しみながらも、今は親の介護に明け暮れている50台女性が旅の写真を持ち込みます。続いて、第2話の「最初で最後の写真展」では、夫をなくした妻が残された写真20枚を額装して写真展を開催することになります。写真展に集まった人から、亡き夫の意外な面を知らされます。さらに、第3話の「ポイ捨ての果てに」では、使い終わったカップが喫茶ガクブチの前にポイ捨てされるようになり、妹の真日留が犯人を突き止めようとします。
続いて、第4話の「婚活UFO」では、婚活成功のために相手女性の意図に従って処分しようと、男性が古いブリキのおもちゃのUFOを持ち込みます。続いて、第5話の「夜歩く息子」では、兄妹の叔父の離婚後に高校生の従兄弟が引きこもりになって、一般家屋への覗きで補導された後、真黒く塗られた15センチ角くらいの紙を叔父が発見します。最後の第6話の「おじいちゃんの絵」では、中学生の男子生徒が祖父の絵を額装して欲しいと持ち込んできます。
第5話には、少しだけミステリのような謎解きの要素がありますが、それ以外はミステリの要素はほとんど感じられません。さまざま思い出を基に額装し、心温まる連作短編集に仕上がっています。

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