毎年この時期に開かれる「フルート音楽日誌」。今回が10回目になる。
上野由恵が上野にある上野の森美術館で上野の商店会の協賛を得て開かれる上野づくしの名物コンサートである。
絵に囲まれてのコンサートというのもいいものである。
毎回ゲストが招かれるのだが、今回はなんと川久保賜紀!
具合が悪いなんて言ってられない。
幸いなことに昨日くらいから劇的に快復した。なのでさほど心配なく行くことができた。
上野由恵:フルート
川久保賜紀:ヴァイオリン
01.テレマン:カノン
02.ベートーヴェン:二重奏曲 ト長調
03.ドンジョン:エレジー(フルート・ソロ)
04.バッハ:パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004より、
アルマンド、サラバンド、クーラント(ヴァイオリン・ソロ)
05.モーツァルト:きらきら星変奏曲
<休憩>
06.細川俊夫:垂直の歌(フルート・ソロ)
07.アブレウ:ティコ・ティコ
08.ピアソラ:タンゴ・エチュードより、
No.3 アレグロ(快活に)
No.4 レント・メディテーティヴォ(遅く、瞑想的に)
No.6 アベック・アングザイアテ(不安を持って)
<アンコール>
09.J.シュトラウス�供Д肇螢奪繊Ε肇薀奪繊Ε櫂襯�
このコンサートはいつも楽しい。
由恵嬢がワシントンで賜紀嬢のコンサートを聴いて、一目惚れならぬ一耳惚れをして共演が実現したという。
音域が同じということもあってヴァイオリンとフルートの共演というのは珍しい。
両者ともキレはあるが暖かい音色の持ち主なので相性は抜群だ。
ところで賜紀ちゃん、いつからグァダニーニに替えたんだろうか?
フィリアでのベートーヴェンのときはすでにグァダニーニだったかも?
どの曲も楽しく、素晴らしい演奏だった。
初共演とは思えぬほど息の合ったデュオだった。
挨拶代わりのテレマンの後は、若書きのベートーヴェン。まだウィーン古典派の香りが色濃い。
落ち葉の舞い散るようなフルート・ソロの後は、賜紀ちゃんのバッハ。
う〜ん、全曲聴きたかったなあ…。
前半のクライマックスは『きらきら星』で、旋律楽器二本ということで変奏の妙味がよりふかく味わえたように思う。
特殊奏法を駆使した『垂直の歌』は和を感じさせる曲。
うちのは演奏している由恵ちゃんの姿を見て「殺陣」が思い浮かぶと言っていた。
リードがないためフルートには特殊奏法のバリエーションが豊富だ。それを改めて感じた。
ジャズのスタンダードにもなっている『ティコ・ティコ』はぐっと落ち着いたテンポで格調高く歌い上げていた。こんな『ティコ・ティコ』は初めて。
メインのピアソラはもともとはフルート独奏用の曲。最近になってデュオ用の楽譜が出版されたそうだ。
賜紀ちゃんのピアソラはいいよ。歌心があって音にそこはかとない哀しみが宿っている。巧みに音色を変化させながら演奏した由恵ちゃんも見事。
アンコールも楽しかった。
終わってしまうのが惜しい、と思わされたコンサートだった。
胃の具合は本調子にはほど遠く、いまだに痛みは残っているのだが、演奏中はその痛みを忘れてしまっている。音楽に癒しの効果があるのは間違いない。お気に入りの演奏家であればなおのこと。
終演後はいつものように黒船亭のカツサンド(今日はハンバーグサンドとオードブルも)が振る舞われ、恒例のみはしのあんみつ争奪じゃんけん大会で盛り上がる。
今回はあんみつをゲットできなかった…。まあ、毎回ゲットしていたら申し訳ないか。
というわけで、今年最初のコンサートから無事に帰ってきた。
楽しかった。
ちょっと無理してでも行ってよかった。
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