メタル・ゴッドと崇められるロブ・ハルフォードがBABYMETALとのフォト・セッションに応じるとは…。
さらにジューダス・プリーストのメンバーとも撮っているではないか!
このロブの表情はどうだ。好々爺としたその姿からメタル・ゴッドの厳めしさは感じられない。
プリーストのメンバーも集まったショットではロブはTeeシャツに咬みついている。キツネのお面を持ったイアン・ヒルの穏やかな表情もいい。
(とある情報によると、ロブはベビメタのステージを袖から見ていたのではないかという話も…。確かにそれらしい人が写っている)
ジューダス・プリーストの歴史は順風だったわけではない。
ハード・ロック時代は二流だ時代遅れだと批判され、メタル・ゴッドの地位を確立してからも新たな挑戦をしてはその度に非難された。そうした苦難を彼らはよく知っている。
それはプリーストに限らず、メタリカやスレイヤーだって同じであろう。
彼らはきっと新しいものに寛容なのだ。
新しいものは非難され批判されるのがこの世の常。だから彼らはベビメタを受け入れてくれるのではないか。あるいは閉塞しつつあるメタル界に風穴を開ける存在として認めてくれているのではないか。
可愛らしい女の子に頼まれたら断れないだろう、という意見もあるしそうかもしれないとも思うが、自分たちの掲げている看板を下ろしてまで応じるべきものでもあるまい。
というわけで、今回はジューダス・プリースト。
以前話題にしたことがあるので、こちらもどうぞ。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1932074099&owner_id=3696995
ロブ・ハルフォード:ヴォーカル
グレン・ティプトン:ギター
K.K.ダウニング:ギター
イアン・ヒル:ベース
レス・ビンクス → デイヴ・ホランド → スコット・トラヴィス:ドラムス
では、黄金期のスタジオ・アルバムを一気に紹介。
『Rocka Rolla』(1974年)
記念すべきデビュー・アルバム。そのタイトルゆえか、コカ・コーラのキャップを模したジャケットはチープ感たっぷりでいただけない。内容はツイン・リードを生かした哀愁のハード・ロックで、彼らの個性はすでに表れている。佳作ではあるが、やや散漫な印象も。きっとアイデアがいっぱいあったのだろう。
『Sad Wings Of Destiny(運命の翼)』(1976年)
このアルバムで化けた。これを彼らのベストに推す人も少なくない。ジャケットもケレン味たっぷりなものになり、泣きのハード・ロックが確立されている。ロブの超絶の歌唱は当時かなりの衝撃だったろう。惜しむらくは、前作もそうだったが、ドラムが弱い。
『Sin After Sin(背信の門)』(1977年)
メジャー・レーベルに移籍しての3作目。ドラムにはゲストとしてサイモン・フィリップスを迎えている。ジョーン・バエズのカバーを収めるなど、懐の深さを覗かせるが、楽曲自体は練り切れていないような気もする。ジャケットが素敵だ。ドラムの充実でサウンド自体が引き締まっているが、この人のドラムはどうも「上手いんだけど…」というふうに思えてしまう。
『Stained Class』(1978年)
ハード・ロック時代の最高傑作と言えると思う。ロブのヒステリックなハイトーン・ヴォイスを前面に押し出している。ここからレス・ビンクスが正式ドラマーとして参加している。彼の手数の多いドラミングはなかなか良い。ニューウェイヴ&パンク全盛でハードロックには逆風の時代、一矢を報いた作品。ペラペラの薄いミキシングが残念だが、その欠点を補って余りあるほどの傑作。ギターも声もメタリックな衝撃の『Exciter』、劇的なバラード『Beyond The Realms Of Death』収録。
『Killing Machine(殺人機械)』(1978年)
路線としては前作を踏襲しているが、楽曲はよりコンパクトにまとまっている。後から思うと、次作への布石になっていたのかもしれない。哀愁のバラード『Before The Dawn』は名曲。レザー&スタッドのイメージはここで示される。
『British Steel』(1980年)
ジューダス・プリースト流へヴィメタル宣言。情緒的なギター・ソロを排し、全編ソリッドなリフのみで構成されている。今となってはこれよりもへヴィなサウンドはたくさんあるが、当時の新しさは相当なものだった。へヴィメタルの基本フォーマットを提示して見せたのが、いわゆる問題作だったわけだ。それでいながら彼ららしい個性を失ってはおらず、楽曲は意外にバラエティに富んでいる。ここから黄金期を支えるドラマー、デイヴ・ホランドが加入。彼の精密機械のようなビートに合わせるように、イアン・ヒルのベースは極めてシンプルになっていく。
『Point Of Entry(黄金のスペクトル)』(1981年)
アメリカ進出を目論み、よりソリッドに仕上がっている。思惑通りの結果を収めることはできず、評価の低い作品だが、決して駄作などではない。前作を突き詰めた結果がこの作品であろうから、今こそ再評価すべきだと思う。
『Screaming For Vengeance(復讐の叫び)』(1982年)
前作での反省を生かして、ここで彼らは離れ技をやってのける。サウンドの質感はよりメタリックに、さらにそこにケレン味たっぷりのギター・ソロを復活させたのだ。もともとメロディックなソロを得意としているティプトン&ダウニングのギター・コンビがストレスを溜めていたのかどうかは知らない。だがそう勘ぐってしまうほどギターが冴えている。楽曲も粒揃い。冒頭の『The Hellion 〜 Electric Eye』での流麗なギターによるインストからキラーチューンへの展開という手法はメタル楽曲の定番となる。BABYMETALの『Road of Resistance』もこれを踏襲したと言えそうだ。
『Defenders Of The Faith(背徳の掟)』(1984年)
前作と合わせて傑作二部作という見方もでき、そのジャケットから前作が空中戦、本作が地上戦と言われることもある。どちらかを選ばなければならないとするなら、私はこちらを選ぶだろう。『Freewheel Burning』『Jawbreaker』『Rock Hard Ride Free』『The Sentinel』の畳み掛けるような流れは圧巻。しかも終盤には『Night Comes Down』という暗黒バラードが待っている。ただエコーがかかりすぎてよりメカニカルに聴こえるドラムサウンドは好みを分かつかもしれない。
『Turbo』(1986年)
メタル・ゴッドとして尊敬を集める彼らだったが、ここで新たな挑戦を試みた。ギター・シンセの導入である。それにより最も近未来的な雰囲気の作風となった。自らの地位に甘んじて居座ろうとしないチャレンジャブルな姿勢は尊敬に値する。メタル界の重鎮ではあるが、メタルだけでは済まされない豊かな音楽性が彼らの魅力でもあるのだろう。さほど評価の高い作品ではないようだが、私は好きである。
『Ram It Down』(1988年)
前作の過激な挑戦を経て、よりエクストリームなサウンドに転換。サウンドの迫力は増したが、やや大味な気がしないでもない。『Johnny B.Goode』のカバーも浮いていしまっているように思う。個々の曲は悪くはないのだが…。
『Painkiller』(1990年)
もしかしたらジューダス・プリーストの最高傑作はこれなのかもしれない。ブラスト・ビート(バスドラムの高速連打)が踏めるメタル系ドラマーのスコット・トラヴィスを迎え、リズムの点からもメタルにシフトした。それに伴いイアン・ヒルのベースも変化する。最近私はこの完璧裏方ベースが好きになってきた。ロブの超絶ヴォーカルが映えるタイトル曲が有名だが、全ての曲が劣らぬ名曲である。前半のパワー・メタルも圧巻だが、後半のダークな雰囲気が彼らの豊かな音楽性を示している。
ここでジューダス・プリーストの歴史は一区切りついたというのが大方の見方だろう。というのも、看板ヴォーカリストでありメタル・ゴッドそのものだったロブの脱退という危機に見舞われてしまったからだ。
その後、新たなヴォーカリストを迎えジューダス・プリーストは継続。そしてロブが復帰を果たし現在に至る。ロブ復帰後のアルバムも持っているのだが、まだ聴き込んでいない。
ジューダス・プリーストはハードロックとへヴィメタルをつなぐ存在というのが私の考えである。
メタルから語ることもでき、ハードロックから語ることもできる。
裏切り者の司祭という名前のバンドは自らを裏切ることはない。
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