マーラーのシンフォニーで最高傑作というとやはり9番なのだろう。
ロマン派音楽と調性音楽の幕引きを担った交響曲。
マーラーが完成させた最後の交響曲ではあるが、真の意味での完成形ではない。なぜならマーラーは自身の作品を演奏するたびに改訂をしていたからだ。おそらく9番もそうなるはずだったろう。
たぶん最も大きく変わっただろうと思うのは第4楽章である。この楽章はいかにもオーケストレーションが薄い。いや、今でも十分すぎるくらいに素晴らしい音楽なのだが、もっと素晴らしいものになっていた可能性はある。
まあ、それはともかく、マーラーの9番を聴くということは私にとって尋常ならざることなのである。大好きな曲だが、そうしょっちゅう聴けるものではない。死ぬように終わるシンフォニーは深く重くとてつもなく感動的なのだ。
さて、そんな9番を聴いてきた。
マーラー演奏で名高い名匠エリアフ・インバルと東京都交響楽団。
今さらインバルという気もしないでもないが、やはり彼のマーラーは好きなのだ。フランクフルト放送響を振った全集盤は未だに私にとってのスタンダードでもある。
スコアを見るとどのパートも「コンチェルトのソロ・パートか!」というくらいの至難の曲である。
ゆったりとした長大な楽章が二つ急速楽章を挟むという、4楽章ながら珍しい構成。
もう細かい感想は書けない。
特別なシンフォニーを特別な指揮者で聴く。
これ以上、何を語るべきものがあろうか。
と言いつつも蛇足的なことをチラホラと。
個人的に注目していた箇所があるのだが、それについて。
まず第1楽章再現部で使われる鐘。チューブラーベルのような高い音で鳴らされるとガッカリなのだが、今回は金属の板のようなもので、低く不思議な音を出していた。なかなか良かったように思う。
そして第1楽章終盤のフルートのソロ。ここはフルート奏者の腕の見せどころである。さすがにビシッと決めたね。
最後に第3楽章の352小節からトランペットが美しく鳴るところ。このフレーズは終楽章にも出てくるので、ここはこの世のものとは思えないくらいに美しく鳴らしてくれないといけない。力強さが勝ったふうではあったが、綺麗に鳴っていた。
あと、今日気が付いたのだが、ピッコロが意外に重要なところを吹いている。
鳴りやまぬ拍手。
マエストロ、疲れを見せずにサイン会開催。
全集盤のブックレットか、9番のスコアを持っていけばよかった…。
フラッシュを使わなければ写真撮影もOK。
というわけで、やはりインバルは凄かった。
ところで、今日はダブルヘッダーだったのだが、眠くて仕方がないので、もう1本は明日にUPさせていただくことにする。
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