せんくら以来のコンサート。
十日くらいしか経っていないのだが、ずいぶん久しぶりに感じる。
今夜は紀尾井ホールにてソプラノの幸田浩子のリサイタル。
ビルボード・ヴィーナス・クラシックスと題されたシリーズの一夜。
彼女のリサイタルも久しぶりである。
先月オペラシティでの「モンポウ祭」で聴いたのが三年ぶりくらいだった。
一昨年の王子ホールでのリサイタルをたぬ〜の病気で行けなくなってからというもの、巡り合せがすっかり悪くなってしまった。
というわけで、本当に久しぶりのリサイタル。2階席だったが…。
幸田浩子:ソプラノ
村上尊志:ピアノ
01.ジョルダーニ:カロ・ミオ・ベン
02.パイジェッロ:うつろな心
03.ローザ:側にいることは
04.A.スカルラッティ:すみれ
05.トレッリ:あなたは知っている
06.A.スカルラッティ:陽はすでにガンジス川から
07.トスティ:可愛い口もと
08.トスティ:そうだといいけれど
09.トスティ:セレナータ
10.ロッシーニ:約束
11.ロッシーニ:踊り
12.ロッシーニ:『セヴィリアの理髪師』より、今の歌声は
<休憩>
13.フランク:天使の糧
14.バッハ/グノー:アヴェ・マリア
15.グノー:オペラ『ロメオとジュリエット』より、私は夢に生きたい
16.オッフェンバック:オペラ『ホフマン物語』より、舟歌(ピアノ・ソロ)
17.オッフェンバック:オペラ『ホフマン物語』より、森の小鳥は憧れを歌う
18.トマ:オペラ『ハムレット』より、遊び仲間に入れて下さい(オフィーリアの狂乱の場)
<アンコール>
19.ジーツィンスキー:ウィーンわが夢の街
20.武満徹:小さな空
前半はイタリアもの。
後半はほぼフランスもの。
前半はよく知られた歌曲(01、02、04、06)が聴きものだった。手垢のついた曲をきっちり聴かせるのはなかなか難しいことである。
ロッシーニの『踊り』はアップテンポの超絶技巧曲。こういうのも巧みだ。
後半の『ホフマン物語』はコミカルな演出が楽しい。彼女のためにあるような曲である。
対してラストのオフィーリアの狂乱の場はシリアス路線。この使い分けも上手い。悲劇的な色調と妙に明るい色合いが交互に繰り出される。いわゆる「狂乱の場」の常套手段だが、それだけに切実さが募る。オフィーリアの狂気を感じさせる名唱だった。
アンコールの2曲もとてもいい。
『ウィーンわが夢の街』は大好きな曲。ビールが欲しくなる〜。
これは来月発売の新譜の予告編。
武満の『小さな空』もよかった。言葉がはっきり聴き取れる歌唱は素敵だ。これは詞も武満なんだよね。
相変わらずチャーミングな声だ。可憐な容姿とあいまって魅力的な歌手である。
声楽的な発声が苦手な人でも抵抗なく受け入れられるのではないか。
少しも尖ったところがない。柔らかく繊細で、心地よい。
その声質ゆえに歌える曲が限られてしまうということもあるのだろうが、それ以上に個性として発揮されるメリットの方が大きいのではないかと思う。
サイン会での対応もとてもフレンドリー。
ファンが多いのもわかる。
いいコンサートでした。
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