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2012年08月20日23:17

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レーピン展@Bunkamura、8月19日その2

8月19日、ハードな1日、その2。

田園都市線青葉台駅のフィリア・ホールから新宿に向かって、なにはともあれ腹ごしらえ。
ヒマなのでBunkamuraにでも行くか、と渋谷に向かった。

移動していたら、暑いのなんのって。。。

興味がないことはないが、わざわざ観に行くだろうか、と思っていた「レーピン展」。
ほとんど涼むのが目的で観ることにした。
美術館は作品保護のため、室温と湿度を低く設定しているので避暑にはうってつけ。

イリヤ・レーピン(1844〜1930)はリアリズムを追求したロシアの画家である。

予想通り、室内は涼しく、しかも空いていた。
ところがレーピンの作品は予想を遥かに超えるものだった。
最初の数点を観ただけで、この人は大物だと確信した。

タッチは必ずしも細密ではないのだが、少し離れて観ると、とても精緻に見える。
リアルだし、技術も凄いのだと思う。なにより凄いのが人物の表情だ。その人の性格や人柄が浮き上がっているような表情をしている。つまり、必ずしも綺麗にまとめた肖像ではないのだ。だからこそ生き生きしているし、観ていておもしろい。

この人は人間の表情を描くのが上手いのだなと思う。

出世作の『ヴォルガの舟曳き』。これは過酷な労働を描いたもので、まさにリアリズムという作品なのだが、これも労働者の表情がいい。多くの労働者それぞれに性格が見て取れる。それは結局画家自身が貧しい労働者に対して畏敬の念を持っていたからだろう。

チラシにもなっている『休息』は画家の妻を描いたものだそうだ。
手を見るとそれなりの年齢だとわかるが、顔はまるで少女のようだ。画家の目に何割増で美しく映っていたのかはわからないが、妻に対する愛情を感じさせるいい作品だ。
(子どもたちと写った写真が紹介されていたが、実際にあどけない顔立ちの綺麗な女性だ)

そして、これを観るためだけに来てもいいかと思っていたのがムソルグスキーの肖像画。
おそらくムソルグスキーの肖像で最も有名なものだろう。私はこれがレーピンが描いたものとは知らなかった。(というより、レーピンについてはよく知らなかったというのが本当だが)
うらぶれた感じのアル中患者。しかし、そこにその人の尋常でないオーラを感じる。落ちぶれていても天才。誇り、野心、挫折、諦観、怒り、そんな感情が全て描かれている。
見慣れた肖像ではあってもやはり実物の迫力は凄い。
レーピンの腕も凄いが、そのレーピンにタダモノではないと思わせたムソルグスキーもやはり凄いと言わざるをえないだろう。

もちろんほかにも観るべき作品は多い。
ほとんどが人物画だが、1点だけキャベツ畑を描いた作品があった。
ただキャベツ。ただのキャベツだが、何故か心を打つ。まるでレーピンは相手がキャベツであってもその本質を描き出そうとしているかのようだ。

なかなか充実した展覧会だった。
混んでいる中で名作を観るのもいいが、空いているところで自分だけのお気に入りを見つけるというのも悪くないと思う。
フェルメールだけを観て絵をわかった気になるのは大間違いだぞと言っておきたい。ハイソ気取りの似非文化人たちに対してね。

で、Triniteのライヴ会場に向かう前にカフェで休憩。
たぬ〜は少々バテ気味?
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