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2012年06月07日23:23

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モイツァ・エルトマン@王子ホール

モイツァ・エルトマン、ドイツ生まれの新進のソプラノ歌手。クリアーでリリカルな声と可憐なルックスで話題になっている。単独のアルバムとしてはDGからモーツァルトとその周辺の作曲家のアリアを集めた『Mostly Mozart』を出しているのみだが、これがなかなかの好盤である。
初来日ではないが、今回が日本で初めてのリサイタルになる。

モイツァ・エルトマン(ソプラノ)
ゲロルト・フーバー(ピアノ)

プログラムは前半がシューベルト、後半がリヒャルト・シュトラウスの歌曲。

01.幸福 D433
02.乙女 D652
03.恋はいたるところに D239-6
04.あちこちに矢が飛び交っている D239-3
05.男なんて皆ろくでなし D866-3
06.若き修道女 D828
07.アルゼルモの墓で D504
08.月に寄せて D259
09.グレートヒェンの祈り D564
10.糸を紡ぐブレートヒェン D118
<休憩>
11.ひどいお天気 Op.69-5
12.さまよう心 Op.48-2
13.万霊節 Op.10-8
14.ぼくの考えのすべて Op.21-1
15.夜 Op.10-3
16.知りはしない Op.10-2
17.口の堅い者たち Op.10-6
18.高鳴る心 Op.29-2
19.心を飾る王冠 Op.21-2
20.あした Op.27-4
21.花束を編みたかった Op.68-2
22.セレナード Op.17-2
<アンコール>
23.メンデルスゾーン:歌の翼に Op.34-2
24.モーツァルト:魔術師 K472
25.モーツァルト:ラウラに寄せる夕べの思い K523

清楚な中にも強い意志力を感じさせる声だ。
なかなかの長身でステージ栄えする。何かを持っているというオーラが感じられる。

期待に違わず、いや、期待以上の素晴らしいパフォーマンスだった。
凛とした透明感のある声はときとしてボーイ・ソプラノのように響く。硬質な声なのだが、発声に無理がないせいか、尖っては聴こえない。涼やかで心地いい。
しかし、声の魅力だけではない。深い洞察力で歌っているという感じだ。曲や詩と同化するように自分の元に引き寄せ、呼吸するかのように自然に歌う。曲を解釈するなどというレベルではなく、彼女の音楽として紡がれていく。聴き手であるわれわれは歌に説得されるというのではなく、彼女の世界に引き込まれ、彼女の声のままに感情を揺り動かされていく。
仕種や表情全て含めて彼女の歌である。呼吸する音でさえ歌の一部になっている。

自分で書いていて褒めすぎのような気もしてきたが、そのくらい素晴らしかったということだろう。
こんな逸材がポンと現れるのだから、世界は広いものである。

ピアノのゲロルト・フーバーも好演。押しと引きをわきまえた見事なピアノだった。柔らかなタッチでモイツァの歌にうまく合わせていた。
たぬ〜が言うには、ときとして歌詞を口ずさみながらピアノを弾いていたらしい。もちろん声は聞えなかったが。

どの曲も素晴らしい出来だった。それでも敢えて言うなら、白眉は『糸を紡ぐグレートヒェン』だったか。『若き修道女』での鬼気迫る歌いっぷりも凄かったし、『男なんて皆ろくでなし』ではコケティッシュな表情を見せる。
シュトラウスでは『万霊節』も良かったが、やはり『セレナード』だろうか。

ちなみに、王子ホールの会員先行で割り振られた席は最前列のほぼ正面。なんとも贅沢な席である。

話がそれたが、サイン会も盛況。
写真撮影にも気さくに応じてくれた。
いやはや、写真以上に美しく可愛らしい姫君であった。。。

そういえば、コンサート中は腰が痛いことなんてすっかり忘れていた。
これも音楽の力ということなのかなあ。

さて、次回は日曜日にオペラシティ。
今日とはガラリとプログラムを変えてくる。
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