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2012年04月28日23:18

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上野由恵@上野の森美術館

上野にある上野の森美術館で上野由恵がフルートを吹く。
「上野由恵フルート音楽日誌vol.5 〜ハープと巡るフランス〜」
好評のシリーズである(らしい)。美術館の展示室を会場にしたユニークなコンサート。われわれは前回からという新参者である。

ちなみに、上野の森美術館では「上野の森美術館大賞展」というのを開催中で、今日のコンサートは大賞受賞作や入選作などが飾られたメイン展示室で行なわれた。ぐるりと絵に囲まれてのコンサート。

上野由恵(フルート)
岩城晶子(ハープ)
鈴木まり奈(ヴィオラ)
(特に断りのないものはフルートとハープのデュオ)

01.サティ:ジュ・トゥ・ヴ
02.ビゼー:メヌエット(アルルの女 より)
03.グルック:精霊の踊り
04.アンドレ:ナルテクス(拝廊)
05.ジュナン:ヴェニスの謝肉祭 作品14
<休憩>
06.ルニエ:伝説(hp solo)
07.マルケッティ:魅惑のワルツ
08.ルグラン:シェルブールの雨傘
09.ドビュッシー:シリンクス(fl solo)
10.ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
11.ドビュッシー:フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ(fl、va、hp)
<アンコール>
12.ビゼー:間奏曲(カルメン より)(fl、va、hp)

前半は名曲集。
ビゼーのメヌエットはフルートを習ったことのある人なら、必ず吹いたことのある曲。
それゆえ難しい曲ではないのだが、だからこそ聴かせるのは難しい。さすがの一言。

『ナルクテス』という曲はおもしろかった。現代曲なのだが、特殊奏法がいっぱいあって、聴き飽きないし見飽きない。フルートは頭部管だけを外して演奏するところもあるし、ハープはいくつかの道具を使っていろいろなところを叩く。弦楽器兼打楽器という趣。

『ヴェニスの謝肉祭』では、なんとフルートの重音奏法のようなものが聴かれた。これには驚いた。
本当に重音のように聴こえてしまうのだから恐れ入る。

後半はハープのソロから始まった。ちょっとメンデルスゾーンの妖精の音楽を思わせるところもある。
このハーピストはいい腕をしている。タイム感覚に優れているのだろう。だから音楽の芯がぶれない。

フランス映画音楽から2曲。
彼女たちがアレンジをしたのだそうだ。『シェルブールの雨傘』は名曲だね。

とても瞑想的な演奏だった『シリンクス』も短いながら聴き応え十分。
彼女の音は深く重いというわけではないが、芯がしっかりしている。高音もきらびやかであるが、とがらない。フルートが笛であることを思い出させる。

やはりメインはドビュッシーのソナタかな。
ここでヴィオラ登場。
ドビュッシーの最高傑作の部類に入る曲だと思う。それなのに実演で聴ける機会が極めて少ないのは特異な編成のせいだろう。
最近ずっとこの曲のCDを聴いて思っていたのが、この曲のキモはヴィオラであるということ。おそらくヴィオラがしっかりしないと曲は締まらない。
楽器のバランスも難しいのだろうと思う。
それらを考えると理想的な再現が難しい曲なのではないかという気がする。
率直に言っていい演奏だった。
フルートが素晴らしいのはもちろん、ハープもイマジネーション豊かな世界観を演出するし、ヴィオラの存在感もなかなかのもの。押すところは押し、引くところは引く。曲をきっちり引き締めていた。
幽玄で繊細な響きに身を委ねるのは心地よかった。
この曲を聴けただけでもこのコンサートに出かけた価値は十分にある。

このコンサートは「上野のれん会」「上野中央通り商店会」の協力で成立している。
なので、今回も終演後に恒例の「あんみつ」プレゼント抽選が行われた。(前回はジャンケン大会)
今回は見事当選! 甘味処の名店「みはし」のあんみつをゲットした。
しかもワインとカツサンドが振る舞われた。そのカツサンドが美味しいこと。とってもぶ厚いカツでね。
さらにサイン会があったり撮影会(?)があったりで、ちょっとした懇親会状態。

そういうことも含めてとても楽しいコンサートだった。

昨年上野由恵嬢と出会って以来すっかりはまっている。
確かな技巧を持ち、表現力も豊かで、何より個性的な美しい音を持っている。
明るいキャラも素敵だね。

彼女が使用しているフルートはムラマツの18Kハンドメイド。リングキー仕様で、足部管はH付き。
いくらくらいするものかはちょっと考えたくない。。。
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