mixiユーザー(id:3696995)

2012年04月25日22:51

143 view

ユジャ・ワンすげ〜

新進のピアニスト、ユジャ・ワンの新しいアルバム『Fantasia』を聴いた。
早く聴きたい気持ちを抑えつつ、先にリリースされた輸入盤を我慢して、国内盤のリリースを待った。輸入盤とはジャケ違いで、ボーナス・トラックが1曲収録されている。

今回はアンコール・ピース集。
ラフマニノフやスクリャービンの小品に、超絶技巧のトランスクリプション(編曲もの)を集めている。
非常に楽しいCDだ。
オススメである。

昨年の来日公演の後半のプログラムの曲がほとんど収録されている。
あのときひっくり返りそうになったことを思い出す。
ジャングル少女のような野性的な風貌だが、ジャケット写真なんかより実物はずっと可愛い。
CDの内容もあのときのリサイタルを思い出させるようなご機嫌な内容だ。

メカニカルな技巧派ではなく、感情表現にも長けている。
技巧派にありがちな音の濁りもない。意外に繊細なところもある。
しっとりじっくり情感豊かに聴かせる曲もあれば、天真爛漫に超絶技巧を披露する曲もある。そのバランスがいい。ユジャが弾くと技巧ひけらかしの曲でも嫌味に聴こえない。手放しで楽しめる。
カルメン変奏曲(ビゼー/ホロヴィッツ編)、魔法使いの弟子(デュカス/スタウ編)、死の舞踏(サン=サーンス/ホロヴィッツ編)あたりが痛快だ。こういうのを弾くときのユジャはケレン味がなくていいね。

と言いつつもショパンの有名な嬰ハ短調のワルツや、ラフマニノフの音の絵第5番、スクリャービンの嬰ト短調の練習曲、シューベルト(リスト編)の『糸を紡ぐグレートヒェン』、グルック(ズガンバーティ編)の『精霊の踊り』などは丁寧なニュアンス付けで聴かせる。
ユジャのピアノって音が綺麗なんだよね。

国内盤ボーナストラックとして収められた『二人でお茶を』はジャズ・スタンダードとして知られるあの曲である。彼女はアート・テイタムのアレンジ・バージョンを用いている。アート・テイタムはモダン・ジャズ黎明期の名ピアニストである。大好きなピアニストだ。
ユジャは柔らかなタッチで小粋に弾いている。これは嬉しいボーナスだ。

技巧派なのに音が綺麗。
というとぐいりぃ家ご贔屓のあのピアニストを思い出す。

このアルバムには収められてはいないが、2ndの『トランスフォーメーション』に入っているラヴェルの『ラ・ヴァルス』という曲がある。オーケストラ用の曲をラヴェル自らピアノ用に編曲したものである。
このウルトラE難度の超絶技巧曲を正確に完璧に弾きこなせるのは今ではユジャ・ワンと三浦友理枝くらいしかいないのではないかと思う。
完璧にという言葉の中には当然のことながら、ウィンナー・ワルツのパロディとしての頽廃的な雰囲気を醸し出すような微妙なニュアンスも表現するという意味も含んでいる。

ちなみに、友理枝ちゃんはデビューアルバム『印象』でこの曲を録音している。実演も見たが、ド迫力で、たいそう驚かされたものだ。

ユジャと友理枝ちゃんの演奏を聴き比べてみるのもおもしろい。

来年ユジャが来るという。
リサイタルも組まれている。
楽しみだが、チケットを取るのが大変そうだな。覚悟しておこう。
2 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2012年04月>
日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930